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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
雪の朝
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「雪…降ったんだ。道理で冷えると思った」
カーテンを開けながら、声を弾ませる岬に、若林も顔を上げる。昨日、岬が来た時には、曇ってはいたものの、雪は降っていなかった。
「寒かったか?」
尋ねた若林に、岬は顔を赤くした。夜の内に雪が降り積もっても、幸せに眠る恋人達は、雪の精の忍び寄る気配にすら気付かなかった。お互いの温もりはそれほど、こころと身体を暖めた。
「そんなことなかったよ」
岬は恥ずかしそうに微笑む。その顔をもっと見ていたいと覗き込む若林に、岬は首を振ってみせた。
「若林くん、時間」
休暇で来ている岬とは違い、若林は今日は練習が入っている。
「そうだな。今日帰ったら、ゆっくりその話をしようぜ」
「もう、若林くんったら」
名残惜しいを通り越して、未練たらたらの若林の背を叩き、岬は玄関まで見送った。靴を履く若林の足元を見て、顔を上げると、若林の顔が目の前まで迫っている。
「なあ、岬」
「時間ないよ」
「なあって…」
長くなりそうな若林に、岬はたまのことだから、と自分に言い聞かせる。胸の中にある温かさを移すように、頬を寄せる。
「行ってらっしゃい」
頬に軽く唇を触れるだけのキスだったが、効果はてきめんだった。若林は機嫌よく家を出る。
「っふう…。あ、若林くん、足元気をつけ…」
ドアを開けた岬が見たのは、勢いよくドアを開けて滑りそうになったものの、さすがの反射神経と瞬発力で手すりにしがみついた若林の姿だった。

 雪の日は小股に、バランスを取って歩くことと厳命して、岬は家に戻った。
「朝のキスは禁止に…いやでも、今日は雪のせいで不可抗力だし…」
玄関のドアを閉めても、その顔は赤い。助け起こした若林が「浮かれるとダメだな」とか言ったせいだ。
 とりあえず、若林が帰るまでに、顔を合わせても真っ赤にならずに済むよう、イメージトレーニングに励む岬であった。

 その特訓の甲斐もなく、顔を合わせるなり、ただいまのキスを奪われてしまうのだけれど。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
寒いので、突発更新です。
グラジャンの若林くんの安定感に、やられました。
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