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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
タオル
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。


 朝練が終わり、制服に着替えようとして、鞄を開けたところで僕は手を止めた。
「ん?どうした、岬?」
隣のロッカーの森崎くんが聞いてくる。僕は動揺を見せないようにして、鞄から出したタオルをロッカーの中のものと取り替える。
「タオル、間違えて持って来ちゃって」
ロッカーから出した方のタオルで汗を拭きながら、予備を置いておいて良かった、とほっとした。

 今日持って来たタオルは、僕の物ではない。ドイツに遊びに行った時に間違えて持って帰って来てしまった若林くんのタオルだ。滞在中に僕のタオルが1本見当たらなくなったため、借りたまま持って帰って来てしまった。

 タオルを間違える位、たいしたことじゃない。それよりは、手放せなくなるのが問題だった。
 使わずに返そうと思って、棚に片付けようとした時、ふわふわした上等のタオルの心地良さに、つい抱きしめてから気付いた。洗濯されているのに、若林くんの匂いが残っている気がした。そして、タオルを抱きしめただけで、落ち着く気もした。

 それからは、そのタオルは使えないタオルになった。眠れない夜に抱きしめていることは、若林くんには言えないでいる。



 岬の置いて帰ったタオルを、今日も抱きしめた。風呂場で洗って忘れていったらしく、岬の石鹸の香りが残る。その香りは、岬のことを思い出させるし、丁寧に干しておいて忘れるなんて、岬も案外うっかりだなと思うと微笑ましい。
 岬に会って話したら、きっと恥ずかしがるだろうと思うと、早く会いたくて仕方なくなる。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
夜中に思いついたので、書きました。
彼の体臭がするシャツ 嗅ぐとストレスが軽減 カップル96組で実験という記事を見たのが原因。岬くんが若林くんのシャツを嗅いでしまうのを想像したら、可愛くて仕方ないです。
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