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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
サンタのいるクリスマス
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。


「サンタさんなんて信じたことはなかったよ」
雪降る町を窓越しに眺めて、岬は呟いた。空一面に舞う雪は、どこまでも果てなく、遥か遠くまでを覆っているように見える。
「お前の家ならそうだろうな」
岬は幼い頃から、父親と二人で旅をしながら成長した。サンタのような存在を信じるような暮らしではない。俺の表情から察したのか、岬は静かに反論した。
「父さんは、サンタの存在を教えてくれたよ。でも、僕が信じなかったんだ」
曖昧に笑う岬を抱え込むと、岬は「ちょっと!」と怒りながら、俺の肘を叩いた。
「悲しい話になるのかと思って」
「そんなの、人を抱き潰す理由にはならないよ」
岬は力を緩めた俺の腕から抜け出すと、俺の胸元にもたれた。
「でも、正解だった」
岬は甘えるのがうまくない。一人っ子というには特殊な環境のせいか、親に遠慮がちで、まして同い年には甘えたくなかったようだった。
 ここまで甘えるようになってくれるまで、長い道のりだった。…もっと甘えてくれても良いんだが。
「そうだろうな」
ゆっくりと腕を回して抱きしめると、岬は俺の腕に自分の腕を絡めて、胸元で抱いた。普段は凛としている岬だけに、そんな仕草だけでも、余計に嬉しく感じる。
「次の町に引っ越すのが嫌で、一度隠れたことがあったんだ。でも、父さんが探しに来て…父さんの声を聞いたら、隠れていられなくなって…そんな悪い子どものところに、サンタなんて来ないと思ったんだよ」
岬らしい思い出だと思った。たったそれだけのことに罪悪感を覚え、サンタが来ないことを信じる昔の岬の頭を、撫でてやりたいと思った。それはかなわないなら。
「何を撫でてるの?」
「岬は良い子だから、ちゃんとサンタさんが来るぜ」
腕の中の岬の頭を撫でると、岬は困ったように、でも優しく微笑んだ。その顔が何とも可愛らしくて、サンタさんを信じるまで、クリスマスを満喫させてやろうと思った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
以前に夢で見た源岬をアレンジしました。夢でのイチャイチャぶりが再現できなくて残念。

以下、拍手お礼
ゆん様、初めまして。拍手ありがとうございます。
何とか再開できたので、無理をしないように続けたいと思います。
パチンコ良いですよね。来年のアニメも萌えを期待します!

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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