※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「…こんな所でそんなこと言うから、びっくりしちゃったよ」 岬は若林に顔を背けたまま言い捨てた。
他の者達が引き上げたグラウンドで、独り残って練習をしている若林に、岬が声をかけた。 「付き合おうか?僕で練習になるか分からないけど」 「いや、助かる。ありがとうな」 若林がチームの為に悪役を装っていることを、岬は聞かされていた。それで孤立している若林を、何かと気に掛けている。岬は旧知の相手も多い上、後から合流しただけあって、若林に構っていても、周囲が咎める様子はない。そのため、岬が若林に声を掛けることは多かった。 「いつもありがとうな」 ボールを近くまで持って来たと思いきや、岬の足元に転がして、若林は岬の耳元に囁いた。 「好きだぜ」
再会してからは何度も会っているし、お互い想いを寄せていたこともあって、半ば付き合っているような二人の仲だ。それでも、日本人のしかも旧知の仲間が戻って来てもおかしくないパブリックスペースで囁かれて、岬の顔がさっと紅潮する。若林の声が好きなだけに、余計に始末が悪いと岬は思う。…反応せずにはいられない。 「どれどれ?」 ビックリした、と言った岬の胸元に、若林が耳を寄せる。心音を聞くためと聞いていても、恥ずかしさが込み上げる。激しくなった動悸はどんどん早くなる。 「っや…だ…」 ゴツゴツとは程遠い岬の胸はふんわり柔らかく、その薄い胸板は激しく脈打っている。その体温と岬の恥ずかしそうな様子に、若林は自分まで鼓動が激しくなってくるのを感じた。今までの孤独感は消え失せて、胸の中に暖かい気持ちが満ちる。 「好きだ」 「…もう、そればっかり」 繰り返される言葉に、岬は唇を緩める。胸元に押し付けられる若林の表情が和らいだのを見て、岬は若林の頭を撫でる。 「今だけはこうしてあげる。今だけだよ」
 (おわり)
拍手ありがとうございます。 イベントのアフターで、ミニフィギュアを持って来られた方がおられたので、ちょっとポーズをつけてみたら、書きたくなりました。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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