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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
『Ende』
おりょう様に、素敵なお話をいただきましたので、早速公開させていただきます!


「…Ende」
若林が小さく笑いながら手を引いた。
「…え…?」
逞しい腕の中、岬は小さく息を吐きながら眉をひそめた。珠汗がするすると身体を流れ落ち、ベッドを湿らせる。冷たい感覚が突きつけられた現状と重なり、はたと我に返った。
若林は楽しげな笑みを浮かべている。上から見下ろす黒い瞳から情欲の色は消えていた。
「三回言っただろ?『ダメ』って。残念、今日はこれでおしまいだ」
「あ…、その、それは…」
岬は顔を歪めた。甘く蕩ける愛撫は汐が引くようになくなってしまい、残されたのは物足りなく震える昂った身体と切なく疼く気持ち。

こういうとき、自分の素直じゃない口を蹴り飛ばしたくなる。

ほんの数分前のことだ。
「岬って、すぐにイヤとかダメとか言うよな。もしかして本気でそう思ってるのか?」
若林が口づけながら口にした言葉だ。
「そんな、ことないよ…」
岬の歯切れの悪い返答に、若林は「どうだかな」と苦笑しながら、パジャマのボタンを外して胸元にするりと掌を這わせた。
「や…っ」
「ほら言った。-そうだ、今から三回イヤとかダメとか言ったら、今日のエッチはなしってことで」
「え、何そのルール…」
「言わなきゃいいんだよ」
若林はやけに楽しげに笑んだ。

…まさかほんの数分で、事が終わるとは思ってもみなかった。
「若林くん、違う、違うんだ…」
「俺はお前が嫌がることはしたくないんだぜ?」
若林は倒していた身体を上げて、ベッドの上で胡座をかいた。
岬の身体と心が本気で焦る。中途半端に熱くさせられた身体がもどかしく疼き、心は水分を失ってからからになっていく。
「…やだ」
「ん?」
「やだ、このままじゃ、いやだ…っ」
羞恥を抑え込み、腕を伸ばす。こんな状態のまま終わりだなんて、心も身体もおかしくなってしまう。
若林はクスッと笑って岬の腕をとり、そのまま身体を引き起こし、大きな懐で抱きしめた。
「俺が欲しい?」
「ん…っ」
「…じゃあ、もっと欲しがってくれよ」
腰をするりと撫でられて、岬の背が弓なりにしなる。触れられて、囁かれて、岬の心身は今度こそ甘く蕩けた。

「岬のイヤもダメも信用ならないんだよ。してもイヤ、やめてもダメなんだからな」
事後、若林が笑いながら言った。
「…何それ。わかってて仕掛けてきたの?」
「まさか。一応の確認だ」
「……」
岬は何も言い返せずに閉口した。拒絶の言葉を口にしてしまうのは素直になれない自分のせいだから、文句も言えない。
「でも俺は、岬がどれだけイヤだダメだって言っても、本音は全部お見通しなんだ。さすがだろ?」
「…随分な自信だねえ。普通そういうこと、自分で言う?」
「言うさ。何せ俺は岬を世界一の幸福者にできる、唯一無二のパートナーなんだからな」
若林はご機嫌で言いきり、岬の身体を引き寄せた。その様子を見ているだけで、岬もほっこり嬉しくなる。
「…じゃあ君も世界一の幸福者だ」
「俺が? 」
「そう」
岬は若林の首に腕を回し、耳元で囁いた。
「だって、世界一の幸福者に、世界一愛されてるんだから」


数秒後、第二ステージへ。

(おわり)

あれ、肝心の第二ステージは???
と言いたくなるくらい、ラブラブなお話でした。
乱されるのが怖い岬くんったら、本当に大和撫子。
それを分かっていて意地悪する若林くんの欲張りっぷりに萌えました。
この後を想像すると、更に楽しいですが!!
おりょう様、素敵なお話をありがとうございました。
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