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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
ふたりぼっちで
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
何度か使った僕から君へ、あいの言葉の結果がまた素敵だったので、使ってみました。




 雪はしんしんと降り続けている。

 ハンブルクは寒い。それは分かっていたけど、豪雪の襲来までは予想していなかった。外に出る予定もキャンセルして、若林くんの家に立て篭もっている。
「ここなら安全だぞ」
ヒーターを付けた部屋で、熱いココアを飲んでいると、ソファーの隣に座った危険人物が言う。
「冬眠中の熊の巣並にね」
そう言い返すと、若林くんは苦笑いで腕を広げた。
「はは。それは手厳しいな。ほら、そっちは寒いだろ?おいで」
その腕の中がどれだけ暖かいか知っている。その胸がどれだけ広いか知っている。若林くんの側がどれだけ安心できるか分かっている。甘い声と優しい笑顔に、抗い切れずに飛び付いた。

 雪は不思議だ。周りの景色を消し、周りの物音を消し。世界にたった二人だけしかいないような気分になる。

「寒くないか?」
「大丈夫」
若林くんの潜めた囁きと、僕の返事だけが、音のない世界の例外。もしこのまま世界にたったふたり取り残されたとしても、きっと気付くこともないだろう。
 ふとそんな想像をした自分に気付いて、驚いた。
 僕は、いつか若林くんに取り残される日が来るのを恐れていた。楽しい日には終わりがあることを、僕はよく知っている。だから、こんな温もりがいつまでも続くとは思っていなかった。それでも良いと、少しでも側にいたいと思っていたはずだった。
「ねえ、若林くん」
自分の出した声なのに、そうと思えないほど、情けない声に聞こえた。若林くんの腕を掴む指に、つい力が入る。
 永遠なんて言葉は信じていない。それでも、信じたいんだ。君とふたりなら。
「ふたりぼっちで生きてみる?」

(おわり)

拍手ありがとうございます。
毎度おなじみの「愛の言葉」です。暖かくなる前に出しておきます。

仕事で、役所に出す書類のことで切羽詰まっているせいか、国際大会に出るのに書類が足りずに困っている松山くんと岬くんの夢を見ました。精神的にはぎりぎりセーフな感じです。もう少し追い詰められるとヤバそうなので、気をつけます。
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