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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
「約束だよ」
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 岬は俺の腕の中で、感触を確かめるように、何度も指輪を撫でている。その様子は嬉しそうで、指輪を贈って良かったと思う。
「受け取ってくれて良かったぜ。そうじゃなかったら、このきれいな手に、俺の名前を書くところだった」
「それは困るかな…」
真っ白な手に書くのは、さすがに俺としてもためらわれる。どうして良いか迷って、指輪を買ったのだった。
「僕も一つお願いがあるんだ」
岬は静かに切り出した。別れて欲しいという最悪のケースだけは回避できているため、俺は岬の髪を撫でながら頷いた。
「僕の心に君の名前を刻み込んで欲しいんだ。…消えないように」
そう言って、岬は上着のボタンを外し始めた。ヒーターを点けてはいても、この季節ともなれば、室内も寒くない訳ではない。俺は岬の手を慌てて掴んだ。
「岬、風邪ひくぞ!」
そして、それ以上に動揺していた。キスはしているが、それ以上はあまりしていない。恥ずかしがりで臆病な岬を怖がらせないように、今まで慎重に関係を進めてきた。
 シャツのボタンを外せば、カーディガンを羽織っただけの岬の胸元があらわになっていた。手以上に白くて、滑らかだ。
「抱いてよ。日本に帰っても淋しくないように」
前をはだけた岬は、いつものように赤くなってはいなかった。試合に挑む時のように強い目で、俺を見つめていた。
 これで理性を飛ばさずにいられるのは、どんな鉄面皮だと思う。俺はすぐさま岬を抱き上げ、ベッドに運んだ。

 岬は俺のベッドに座り、指輪をしたままの手で、シャツのボタンを順に外した。
「若林くん、約束して」
上着を脱ぎ、上半身裸になった岬は、ベッドに横たわった。
「途中でやめたりしないでね」
好きだし、いつか抱きたいと思っていたが、岬の裸は想像していたよりも、ずっときれいだった。思わず息を飲み、それから岬の真剣そのものの問い掛けに頷いた。
 いつか、に備えて用意はしていた。岬の身体に触れるのは、俺が最初だ。岬を怖がらせず、傷つけることなく、痛い思いをさせずにすむにはどうすれば良いか、考えてはいた。
 むしろ、準備が最後になったのは、俺の心だったかも知れない。

 恐る恐る触れた時には、岬は少し震えていた。白い肌が更に白く見える。
「寒いか?」
「うん、あったためて」
緊張を感じさせる声に、岬の肩を強く抱きしめた。
「ああ。それで俺がどんなに好きか思い知らせてやる」

 強い覚悟をしていただけあって、岬は最後までくじけなかった。あんなに華奢な身体で、涙ながらに俺を受け入れた。白い背中から腰にかけて、本当に引き締まっていて、何度も心配になって手を止めた。
「約束したよね?」
その度に岬は、約束の言葉で俺を縛り、俺達はついに結ばれた。

「…後悔してない?」
「何を?俺は嬉しくて淋しい」
そうとしか言いようがない。岬と結ばれて本当に嬉しい。不安に震え、抱いている間は何度も指を絡めて来た岬は可愛くて、ますます想いは募る。それだけに、岬と離れ、なかなか逢えないことを思えば辛い。
「ごめんね」
岬のたった一言には、たくさんの思いが込められていたことだろう。
「良いぜ。俺にはいくらワガママを言ってくれて良い。恋人のワガママ位受け止められないなんて、SGGKの名前が泣くぜ」
恋人、の部分を強調した。本当は伴侶と言いたいところではあるが。
「あは、それはありがとう」
涙が乾いたはずの岬の目がうっすらと潤んでいるのを見て、岬の恋人の座を守れたことを悟った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
指輪が長くなったので、半分に分けました。
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