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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
リアリスティックロマンティック
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「リスクがあるよ」
若林が聞いたこともないような低く冷たい声で、岬は言った。
「デメリットも多い」

 岬は自分はリアリストだと思っている。若林の告白に、自分も好きだと言ったものの、交際は断った。その理由がこれだった。
「お前も好きだって言ったじゃないか」
真意を尋ねる若林を、岬はその大きな目で、じっと見つめた。
「君のことは好きだよ。でも、付き合うのは別だよね?」
静かに、諭すように話す岬の声は、感情を交えない分、ひどく寂しげだと、若林は思った。
「まず、僕はともかく、君は有名人だ。スキャンダルになるよ」
「悪いことをする訳じゃない」
「人によっては、間違ったことだと思うだろうね」
試合の時にも見せないような、感情を抑えた表情で岬は続ける。
「それに、君の家は昔からの名家だろ?評判とか気にするんじゃないの?」
「俺は三男だからな。人に迷惑さえかけなければ良いと言われている」
「迷惑かからない訳ないと思うけど」
どこまで話しても、平行線でしかないことは、岬自身よく分かっていた。そうなれば、どちらが不利なのかも。
「じゃあ、付き合おうか」
岬は言った。避けられないものなら、コントロールするのが次善だ。条件がある、と言う前に抱き着いてくる若林に、岬は不安を覚えた。

「えっと、人前ではそういう素振りを見せないこと、人目につくようなことをしないこと、誰にも話さないこと、だよな?」
したたか抓られた手の甲を撫でて、若林は繰り返した。
「…お願いだから、人前でそんな顔しないでよ」
周囲を圧倒する迫力やオーラのせいで、顔の整っている印象の薄い若林であるが、近くで見ると、精悍で男らしい顔立ちの持ち主だ。抱き寄せられた岬が、激しくなった鼓動を気にせずにはいられない程、動揺したのも道理である。それが、今は嬉しそうにニヤニヤしている様子ときたら。
「だって、それくらいの辛抱をすれば、岬と付き合えるんだろ?」
蕩けそうな甘い声で、若林は囁く。
「…やっぱり、やめない?」
「はあっ?」
抱き寄せられたまま、顔を上げて、言い出した岬に、若林は不満げに聞き返す。若林としては、許しさえもらえたら、この凛としている様子さえ可愛く、魅力的な相手をすぐにいただくつもりだったのが、水を差された格好だ。
「…僕だって、我慢できそうにないから」
白い肌を真っ赤に染めて、囁き返した岬に、若林が我慢できる訳がなかった。
「岬、それはOKということだな!」
今の雰囲気ときたら、ロマンチックとは程遠いのに、甘い台詞に篭絡されてしまっている。自分をリアリストだと思っていたのは間違いだったらしいと、岬は苦笑した。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
タイトルを書いたら、この話になりました。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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