※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「あ、これ…」 部屋を片付けている時に出て来たのは、南葛SCのユニフォームだった。どこかにしまい込んだような気がしていたが、そう奥でもなかったらしい。 「南葛のユニフォームだね。懐かしいなあ」 俺の頭越しに覗き込んで来た岬は、懐かしそうに言った。確かに、岬と初めて同じチームになった時のユニフォームだ。 「あんまり着る機会はなかったけどな」 小学6年生の夏は、怪我との戦いでもあった。全国大会の決勝戦に向けて、他の人間に任せきりというのは辛かった。翼と岬がいてくれて、それまでに培った信頼関係があって、初めて成り立ったことだ。仲間を信頼することを学んだ夏でもあった。 「そんな時もあるよ」 お互い競技生活は長い。岬にも色々あった。それでも微笑んでみせた岬に、やっぱり好きだとしみじみ思う。 「この時は背番号1だったね」 違う番号を背負うことも多い。ただポジションは変わらない。ゴールマウスで前を見据え、ゲーム全体を見る。同じように全体を見て、岬は何度も助けに来てくれた。 「これを着ている時から、お前のことが好きだったな」 最初に会った時から、気になる存在だったが、対抗戦を経て南葛SCに入る頃には、気になって仕方ない相手に変わっていた。その次には、好きな相手だった。あの夏は、岬を想うようになった季節でもあった。 「もう、何言ってるんだよ」 恥ずかしそうに否定しながらも、顔を赤くした岬はどこか嬉しそうだ。フィールドに立つ時は、自分の役割に徹する。でも、チーム全体に目を配り、心を傾ける内に、ついお互いに目がいく。こうして微笑む普段とは全く違う雄々しい側面も、堅実なプレーも、サッカーを心から愛しているところも、岬を好きになる理由になった。 「今の方が、もっと好きだけどな」
(おわり)
拍手ありがとうございます。 以前、50音をやったので、今度はナンバーをやってみようと思いました。 1、と聞くとこのタイトルしか思いつかないです。 若林くん、岬くんと同じチームの時は「1」か「22」。どちらも「11」とは親和性高い。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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