SEO対策
今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
プロフィール
Author:真
源岬人口倍増計画同盟加入
自己紹介ページはこちら
カテゴリ
未分類 (9)
注意・目次・拍手 (39)
宝物 (48)
リンク (2)
お知らせ・拍手お礼・私信・レポート (90)
書いたもの (1060)
キャプテン翼 (137)
アニメ感想 (37)
原作5分ガイド (10)
小ネタ (66)
同人誌アンソロジー特集 (25)
描いたもの (43)
工作 (3)
仮 (0)
源岬について語る (9)
最新記事
ご入室の前に (12/31)
目次:書いたもの (12/07)
更新休止のお知らせ (12/29)
誕生日ケーキ (12/07)
新アニメ感想:第35話 「カミソリパワー爆発」 (12/05)
「ちょっと待ってて」 (12/04)
『サービストーク』 (11/29)
『好きなのにね』 (11/28)
妹め💢 (11/27)
『だいたいそんなかんじ』 (11/26)
リンク
素敵サイト様
素材サイト様
管理画面
このブログをリンクに追加する
メールフォーム
名前:
メール:
件名:
本文:
検索フォーム
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS
ブロとも申請フォーム
この人とブロともになる
QRコード
『CinderellaNight』
おりょうさまに、先日クリスマスのリクエストを、と言っていただいたので、「音楽とクリスマスと源岬」というお願いをしました。
そのお話が届きましたので、公開させていただきます。
-12月25日、ドイツにて-
若林の家のリビングは、豪華に彩られていた。
鮮やかなオーナメントで飾られたもみの木のツリーがあり、その下にはプレゼントがいくつも置いてある。パーティー料理がテーブルいっぱいに並べられ、大きなホールケーキにはカラフルな果物が贅沢に散りばめられ、目にも美しい。そして、ムードを盛り上げる華やかなクリスマスソングが流れている。
その光景に岬が目を輝かせたのは、言うまでもない。
ふたりは去年、初めてクリスマスを一緒に過ごした。初めての本格的なクリスマスに戸惑っていた岬のために、若林は心から楽しめるよう様々な趣向を凝らした。岬はとても喜び、来年のクリスマスも楽しみだと言ってくれた。
今年も岬の期待に応えるべく、昨晩から部屋を飾り始め、今日は朝から気合い十分。午前中に買い出しを済ませ、空港へ迎えに行くまでひたすら準備に没頭した。去年より豪華に華やかに、アットホームな雰囲気も忘れない。岬の嬉しそうな顔を思い浮かべながら、クリスマスの舞台を作り上げた。
その甲斐あって、いざ部屋に足を踏み入れた岬の喜び様は想像以上だった。ツリーや部屋の飾りに歓声を上げ、料理とケーキを笑顔で頬張り、大量のプレゼントも素直に受け取り喜んでいる。若林の想いはしっかり伝わったようだ。
今回こそ、更なる望みが叶いそうだ。
と、心の中で期待に胸を膨らませたが…。
「岬、おど…」
「嫌だよ」
若林の腕の中、岬は若林の言葉を最後まで聞かずに、キッパリと拒否した。
「つれないこと言うなよ。せっかくなんだ、踊ろうぜ?」
「嫌だ」
「いいじゃないか。誰も見てないんだぞ?」
押し問答を繰り返しても無駄だとわかっていても、若林は食い下がる。だが岬は決して首を縦に振らない。
『岬と踊る』
若林の熱い野望は、去年は見事に棄却された。良し悪しではなく、踊れないし恥ずかしいからという理由が、いかにも岬らしい。しかし、チャンスがあるなら攻めたくなるもの。今年は去年より粘りを見せて、ダンスの申し込みをしているが…。
「そういう問題じゃないんだってば」
そんな恋人のことを、岬はよく『わかって』いる。若林の腿を軽く叩き、苦笑した。
「僕はクリスマスソングを聞きながら、君とイチャイチャしたいんだけど、…ダメ?」
かわいくて、強かな言葉。小首を傾げながら言われると、若林の勢いも萎んでいく。何せかわいい恋人のお願いを断れないほど、惚れ込んでいるから。
今年も諦めるしかないようだ。
岬は若林の厚い胸に背を預け、クリスマスソングを口ずさんでいる。歌えるよう練習したと恥ずかしげに告げた、その理由を聞くのは野暮だろう。本当に、健気でかわいい。
若林は瞼を伏せて、岬の歌声に聞き入っている。唇から零れ落ちる音色が、一年に一度の夜を美しく彩り、心をあたためてくれる。
「岬の声はキレイだな」
「え?そうかな?」
「ああ。澄んでいて心地よくて、ずっと聞いていたい」
「そんな大したものじゃないよ」
岬は謙遜しながら淡く微笑む。愛しくて愛しくて、マシュマロよりも柔らかな頬にキスをして、耳元で囁いた。
「もっと歌ってくれよ。俺だけが知ってるお前の声で」
岬の声は少しだけ掠れていて、なのに透明感を失わない。
まるで、煌めくガラスのようだ。
「若林くんって、ホントにキザだよね」
「岬の前だけではな。お前こそ、人前で歌うのは好きじゃないんだろ?」
「せっかく覚えたから、歌わないと」
「確かにな」
照れ隠しの言葉を深掘りしない。キレイな歌声を聞けるのは自分だけだと思うと、得も言われぬ幸福感に包まれる。ましてや、一年に一度の聖なる夜だ。いつもとまるで違う部屋で、いつもより気を許す岬が甘えながら歌う。
鼓膜を揺らす声は至福の音珠。だからこそ。
「岬と踊りたいなあ」
野望が捨てきれず、欲張りになる。
「……、若林くん、手」
「は?」
「手を出して」
若林が岬の言うがままに両手を差し出すと、岬は若林の手に触れ指を絡ませた。
そして。
「それ、よいよい」
岬は手を繋いだまま、若林の手を上下に振ったり、交差させ始めた。
「…なんだこりゃ」
「お望み通り、踊ってるんだけど」
「いや、そうじゃなくてだなあ…」
クリスマスソングを聞きながら、日本の手遊び歌に興じる違和感たるや。しかし岬は子供のようにはしゃいでいる。ひとこと言おうと思った若林だったが、まあいいかと口を噤んだ。
「はい、ちゃんと踊ったからね」
やや理不尽な言葉に苦笑いをしつつ、やはり岬と過ごすクリスマスは格段に楽しいなと思ったのだった。
時計の針が天辺を指した。
「あ、クリスマスが終わったね」
岬はあっさり言うと、歌うのをやめた。その変わり身の早さは各イベントの度に見せられているが、若林も毎回譲らない。今回もまた、首を横に振った。
「夜だって、クリスマスカウントだろ?」
「それじゃ日付の定義が崩れるよ」
「お前、そういうところはやたら律儀だよな…。もっと楽しもうぜ。な?」
若林の人差し指が、岬の薄く柔らかな唇をつうっと横撫でする。太い指が悪戯に触れる感覚に、肩が小さく戦慄いた。
「歌うか?それとも歌わされたいか?」
「…なんかやらしいんだけど」
「そのつもりで言ってるからな。そろそろ岬のシンデレラ気質を変えないと、俺が持たない」
「何それ」
岬は若林の妙な意見に眉を寄せて振り向いた。唇を重ねてその瞬間を奪うと、纏う雰囲気が甘やかになる。ほんのり朱の差した頬を食みながら、細い身体をすべて包んだ。
「クリスマスはこれからだぜ。シンデレラ」
そう、クリスマスはまだ終わっていない。ツリーのライトも点灯しているし、クリスマスソングも流れている。
ガラスの靴を脱ぐには、まだ早すぎる。
「…しょうがないなあ。欲しがりな王子様に応えてあげる」
岬は若林と向き合い、しなやかに身体を寄せた。全身から放たれる誘惑の色に抗うことは不可能で、あまりにも美味しいシチュエーション。気まぐれな岬の気持ちが変わらないようそっと腰を寄せると、僅かな熱を感じた。
「覚悟してよ?君が音を上げるまで、歌って踊ってあげるから」
岬がいつになく挑発的に誘う。
「ああ、思う存分堪能させてもらうよ」
若林は口元を上げて不敵に笑んだ。
聖なる夜の延長時間。
潜り込んだベッドの中、ガラスの靴を履き直したシンデレラは、甘美に歌い淫らに踊る。
「悔しいけど…、僕の負け…に、してあげる」
負けず嫌いなシンデレラは、熱い息を吐きながら王子様の問いに答えた。
この世界の何よりも美しい、ガラスのような声で。
(おわり)
おりょうさま、いつもありがとうございます。
踊りたい(そしてもちろんイチャイチャしたい)若林くんと、クリスマスソングを歌ってささやかにイチャイチャしたい岬くんの攻防、楽しませていただきました。その勝者は…もちろん、多くを望んだ王子様でした。一夜限りのシンデレラの靴と、クリスマスの夜のクロスイメージがとてもきれいで素敵でした。
おりょうさま、『音楽』に絡めたプレゼント、というリクエストにお応えいただき、本当にありがとうございました。
スポンサーサイト
[2016/12/25 22:00]
|
宝物
|
トラックバック(0)
|
コメント(0)
<<
arc-en-ciel
|
ホーム
|
『Music Box』
>>
コメント
コメントの投稿
名前
メールアドレス
URL
タイトル
本文
パスワード
非公開コメント
管理者にだけ表示を許可する
[PR]
カウンター
|
ホーム
|
トラックバック
トラックバック URL
→http://sukinamono11.blog63.fc2.com/tb.php/1366-dd4e7993
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
Copyright © 今日のきみとぼく All Rights Reserved. Powered by
FC2ブログ
.