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『瞬きをしない君』
おりょうさまから、またお話をいただきましたので、早速公開させていただきます♪
「…僕、待ってるようにって言ったよね?」
岬は目の前で揚々と寛いでいる恋人に小言をぶつけながら、お茶と羊羮を振る舞った。
「俺は旧友に会いに行っただけだぜ?」
恋人は悪びれる様子もなく言い、お茶を啜ってじじむさく息をついた。岬が大きなため息をついたのは、ほぼ同時のこと。
『無闇に出歩かないように』
口酸っぱく言い聞かせたのに。
ドイツから一時帰国した若林は、南葛高校のグラウンドに現れた。そこでボールを追いかけている恋人にさえ告げずに。
部活動に励むサッカー部員たちは、慕い憧れる郷土のスーパースターの登場に大喜びだ。喜びや羨望の声が溢れる中、岬だけは呆れ混じりの生ぬるい目で若林を見ていた。
(もう、君ってひとは…)
それでも表面を装うのは得意だ。岬は若林のもとへ歩み寄り、にこやかな笑みを浮かべて簡素な言葉を交わした。親密な関係だと悟られないように。帰国することを知っていたと勘づかれないように。
しかし、若林はふたりの親密さを匂わせる発言をしてしまった。
『お前が所望してたジュース、買ってきたからな』
若林は岬をまっすぐ見つめて微笑んだが、何事もなく相槌を打つ岬の口元は、僅かに引きつっていた。
結局若林は部活終了まで居続け、『ラーメン替え玉大会』の誘いを清々しく断り、岬と一緒に帰路についた。
そして、今に至る。
「お願いだから、少しは立場を弁えてよ。まったく、なんのために鍵を渡したんだか…」
先ほどから岬の小言は止まらない。
若林は外見もオーラも明らかに違う『有名人』だ。闇雲に行動すれば何かと面倒事が多くなる。今までの経験で嫌というほど痛感しているはずだ。
しかし当の本人はどこ吹く風だ。ニコニコというよりニヤニヤしながら、岬を見つめている。
「待つなんて無理。一秒でも早く岬に会いたいからな」
「…旧友が泣くよ」
「でも嬉しいだろ?」
「自信過剰」
滑らかな頬を桃色に染めているのに、岬の口からはかわいくない言葉が零れるばかり。若林が素直じゃない唇を奪うと、触れ合った場所が小さく震えた。真意を射貫く瞳で見つめられ、岬は思わず瞬きをした。
「…やっと触れられる」
若林の逞しい腕が岬の身体を包み抱いた。恋人のあたたかな体温が素直じゃない気持ちをゆっくりと鎮め、本当の気持ちが入れ替わるように溢れてくる。
わかっている。
どれだけ悪態をつこうが文句を言おうが、本当は嬉しい。仲間をダシにグラウンドにきてくれたことも、それをあっさり認めたことも。
若林だから嬉しくて、若林だから文句を言ってしまう。
嬉しくて離れたくないのに、肌寒いから離れないだけだと自分に言い訳をする。つくづく素直じゃないなと心の中で自嘲しながら、岬は広い背中に腕を回した。穏やかな鼓動や体温を直接感じられる、この瞬間がたまらなく心地よい。若林が傍にいるだけで、代えがたい喜びで満たされる。
「…なあ、俺に会いたかった?」
若林は少し身体を反らせて岬の顔を見つめた。その視線は強い。負けじと見つめ返し、今度は目を閉じて自ら口づける。そして、ありったけの勇気を出して、本当の気持ちを口にした。
「…会いたかったよ」
子供じみたキスをした唇から零れる声はあまりにも甘ったるく、自分の声じゃない気がする。当然若林にも気づかれ、今度はぎゅうっと抱きしめられた。
「…やっぱり本物がいちばんだな」
若林の声色が変わった。
どうやら食事は後回しになりそうだ。
お茶も、羊羮も。
やはりというか、お茶は冷め、羊羮の表面は乾いた。食事も親子丼とみそ汁だけの簡単なものとなってしまった。
でも、若林は嬉しそうに食べている。羊羮をデザートにすると言って、冷めたお茶を啜っている。
食事をしながら交わす他愛もない話は飽きることがなく、テレビも音楽も必要ない。直接伝えたい話もたくさんあり、その度にふたりで笑った。ひとつ会話が終わると次の会話へ。その間は数秒ほどしかない。
「…そういえば、前から気になってたんだけど」
向かい側で親子丼を食べている岬は、ふと気になっていたことを口にした。
「目、乾かない?」
若林は岬の唐突な質問に片眉を上げた。
「なんのことだ?」
「何って…、若林くんってあんまり瞬きしないから、目が乾かないのかなって思ったんだけど」
「…ああ、そういうことか」
若林は箸を止め、岬を見つめた。
「岬が目の前にいるのに、瞬きなんてしたらもったいないからな」
「……、それだけ?」
「それだけってことはないだろ?重要なんだぜ。あと、目の乾きを気にしたことはない」
「……」
彼らしすぎる単純な理由に言葉が出てこない。そんな岬を見つめる若林は、やはり瞬きひとつせず得意顔だ。
「…とりあえず食べようか」
「じゃあ納得ってことだな」
若林は笑い、ふたりは再び食事を始めた。
「やっぱり岬と食うメシはうまいな」
「それは何よりです。でもひとりばっかじゃないでしょ?」
「まあチームメイトと食うことが多いけど、お前と一緒じゃないと味気ないんだ」
「ならたくさん食べてよね。作りすぎたから」
「ああ。全部平らげるよ。岬の作るメシは最高にうまいもんな」
その言葉通り、若林は親子丼とみそ汁をぺろりと平らげた。羊羮もしっかり食べ、おかわりのお茶を啜り、そしてまた岬を欲した。
「…ホントに瞬きしないね」
「言っただろ?もったいないって」
そんなことを言われる身にもなってほしい。上から注がれる視線は何よりも強く熱く、逃げようと目を反らせば異議を申し立てるように歯を立てられて。
「視線で殺されそう…」
「…かわいいこと言うなよ。歯止めが効かなくなる」
「…いつも歯止めしてたの?」
「岬が嫌がることはしないようにしてる、つもり」
「何それ」
岬は小さく笑いながら上体を起こし、若林の髪をきゅっと掴んだ。情欲に揺らめく黒い瞳を甘美に濡れる樹色の瞳で強く見据え、挑むように艶然と目を細めた。
「君が望むなら、好きにしていいよ。…でもここは壁が薄いってこと、忘れてないよね?」
「案ずるな。他のやつに岬のかわいい声を聞かせるつもりはない。でも殺し文句を言われたら、歯止めなんか効かなくなるよな」
「…なら僕はこうしてる」
岬は若林の太い首に腕を回し、抱きついて密着した。
「…岬が見えないんだが…」
「いいから瞬きしなよ。ドライアイになっても知らないからね」
岬は満足そうに囁き、そっと目を閉じた。若林の不服げな表情が手に取るようにわかり、くすんと小さな笑いが零れる。
でも、この腕の力は弱めない。
自分のために瞬きをしない恋人のために、そして、恋人と離れたくない自分のために。
(おわり)
若林くん!!!
わざとでしょう!と言いたくなる駄々漏れっぷりに、二人になった時の雰囲気のギャップが、素敵。
素直じゃない岬くんの甘えっぷりが本当に可愛い。
若林くんが瞬きをしないで岬くんを見つめていることに気付く岬くんは、どれだけ若林くんを見つめていたのか。
見つめ合う二人を、じっくり見つめたい!!
おりょうさま、素敵なお話をありがとうございました。
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[2016/11/21 22:00]
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それも、君のせい。
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