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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。



 合宿所には、PCが1台だけある。

 合宿所の共用スペースにPCデスクが用意されていて、誰でも自由に使えるようになっている。中には、三杉のように自分用のノートPCを持ち込んでいる奴もいるが、ごく少数派だ。
 共用PCは一応チームからの連絡等のためらしいが、みんなたいてい、ろくなことに使っていない。検索履歴を調べたら、「アイドル 画像」「かわいい 女の子」等出るわ、出るわ。
 それで、気がついたら検索履歴自体を見るのが楽しみになっていた。誰だよ、「工口 動画」なんて調べた奴は、とか。

 今日PCデスクに行くと、若林がいた。
「使うなら空けるぞ」
そう言ってくれたのを幸いに、すぐに検索履歴を調べる。ノートPCが不調の時にこのPCを使った三杉は、すぐに検索履歴を消しておくという暴挙に出ていたが、若林はそうではなかったらしい。
 「ジャージ 着こなし」「カステラ レシピ」とか、何を検索してるんだよ、と思うような履歴の他に「男同士 S○× やり方」という履歴があった。
 すぐに履歴を全消去して、それから席を立ち、若林を追いかけた。

「何か用か?」
呼び止めると、若林は不機嫌そうに振り向いた。このエラソーな奴に履歴のことを話して凹ますのは、想像するだけで楽しい。
「お前、何検索してるんだよ」
脳内ではかっこよく問い詰めるイメージだったが、いざ若林を目の前にすると、つい小声になる。
「何だ?俺はクリスマスのデートスポット位しか検索してないぜ」
しらを切るにも程がある。どこ吹く風の若林に、俺はあまり言いたくないことを切り出す。…俺の羞恥プレイじゃないんだけどな。
「今履歴を見たら、男同士のやり方とかあったぞ」
そう切り出すと、若林は大声で笑い出した。周りに知られないようにと小声で話していた俺の方が馬鹿みたいじゃないか。

 爆発的に笑った後、若林は素に戻って、冷静に指摘し始めた。
「おい反町、お前デスクトップにショートカットのあるブラウザで見てただろ?俺は違うブラウザを使ってるぞ」
サラっと言われて、確かに若林が席を立った時に、ブラウザが開いていなかったことに気付いた。PCまで戻って調べると、確かに若林の言うように、デスクトップにショートカットのないブラウザもインストールされている。
「それに、俺は岬に見られても良いように、ドイツ語でしか検索しない」
ブラウザを開けてみようとした途端釘を刺す若林に、言葉を失った。確かに、それは有効な手だけど。…履歴を見ても、全く分からねえ!!
 悔しがる俺を嘲笑うように、若林は余裕の笑みを向けた。
「それに、一応言っておくが、今更やり方を検索する必要もないからな」
無駄に雄オーラの出まくっているイケメンが、無駄にイイ声で囁く言葉としては、不適当な内容に、俺は心底聞きたくなかったと思った。前に見かけた時に、それぐらいは予想してたけどさ、生々しいだろ!合宿所で二人の裸を見る度に、想像しちまうだろ!?
「それで、何か良い場所はあるか?」
クリスマスのデートスポットなんか、いくらでも教えるから、さっさと行って下さい。

 かくして、連敗記録は更新された。そして、検索履歴の謎は解明されないまま残ったのであった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
ふと思い付いたので。検索履歴って結構残っているので、気をつけて下さい。
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