※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 同棲シリーズ 「何、それ!?」 若林くんがテーブルに置いた荷物に、つい声が出た。…テーブルが持ち主譲りの頑丈さで良かったと思う。僕の小学生時代の友、みかん箱なら、潰れているところだ。 「カルツが来るからと思って、買って来た」 「いくらカルツでも、そんなに食べないと思う」 さも当然に言う若林くんに、僕はごく冷静に反論した。基本的に食費は折半しているけど、この巨大な肉の塊は対象外にして欲しい。 「和牛だぞ?貴重だろ」 それを聞いてしまったら、余計に。幾らかかったかなんて、聞きたくない。
カルツがご飯を食べに来るから、と掃除をしている間に、若林くんが買い出しに行ってくれた。今は、台所の掃除やら片付けに取り掛かっている。 若林くんは肩を落としながら肉を焼いているけど、見ないふりをしている。落ち込んでいるパフォーマンスは分かるけど、僕はあんな和牛自体、君と以外は食べたことないんだけど。 「岬、味見してくれ」 手招きされて、近付いた。肉の匂いもしているけど、かけたソースの匂いが混じって、本当に良い匂いだ。その香ばしい匂いには覚えがある。 「お醤油?」 「ああ。塩胡椒に醤油だけだ」 この匂いだけで、ご飯が食べられると思う。味見用のお箸を探す前に、若林くんはお肉の端っこをフォークで刺してくれた。…すごく美味しい。僕なら焼き過ぎるだろうけど、若林くんはさすがにその辺りも弁えている。 「美味しい」 「そうだろ?」 口の中から幸せが広がっていく感じだ。少し得意そうにしている若林くんはどうかと思うけど、さっきの凹んでいる様子は可愛かったから、許してあげよう。 「じゃあ、サラダは僕が作るね。ドレッシングは和風で」 付け合わせ的に、タマネギベースにしようかな、と考えを巡らす。 こんな風に、色々分け合って、色々共有して、暮らせる日々は本当に楽しい。慣れないこともあるし、腹が立つこともあるけれど、返ってくる幸せも二人分だ。 「ポテトサラダの方があいつらは喜ぶんと思うぞ」 それじゃあ、少しもさっぱりする気がしない。あいつら、と言っているが、きっと若林くん本人の意見だ。 「…和風ポテトサラダにするよ」 仕方ない。今日は妥協してあげることにしよう。 「その代わり、お肉は君のおごりね」 大きく頷いた若林くんの横を通り過ぎて、ジャガイモを取りに行く。通りすがりに、背伸びして、頭を撫でてあげたのも、僕にしては、珍しいサービスだったからかも知れない。若林くんは、ジャガイモを持って戻った僕を、勢いよく抱き寄せたのだった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 以前みちんこ様と、源岬が同棲した場合、食費がかかりそう、という話をしました。節制に努める岬くんと、肉を買ってパーティーしそうな若林くん、という話になったので、書いてみました。 同棲シリーズはひとまず終わりです。また思いついたら書きたいです。
5月行きたい!と書きながら、目的語が抜けておりましたので貼っておきます。 Wingマーケット2017キャプテン翼プチオンリー!!2017年5月3日です。 実は、サークル参加したいという思いがほんの少しだけあったのですが、2月の仕事が忙しすぎて、いつの間にか消滅していました。(そして、未だに振り回され中) せめて、5月に上京する段取りだけは付けたいものです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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