※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら 「頼むから、人前で騒ぎは起こさないでくれたまえ」 朝一番、余裕をもって帰ってきたとはいえ、現場を押さえた三杉の説教に、若林は憮然と、岬は当然と頷く。岬は昨晩、若林にさらわれて、合宿所近くのホテルに拉致された。被害者である筈の岬までが諭されているのは、そのまま朝まで戻って来なかった為で、岬自身納得してか、抗議はない。 「もしかして、三杉くんがフォローしてくれたの?」 岬の言葉に、三杉は悠然と微笑む。 「うん。君達は人目を憚る仲だから、他言無用と言っておいたよ」 およそフォローにはなっていない。 「悪かったな、三杉」 礼を言う若林ごと睨みつつ、岬は頭を抱える。若林はすぐに岬の相手は自分だと宣言してくれる。岬とて若林を好きな気持ちは変わらないし、唯一絶対の相手だと思ってもいるが、恥ずかしいという気持ちは強い。 「そう思うなら、気を遣わせないでほしいね」 三杉の苦言に対して、若林は少しも悪びれた様子もない。 「だって、岬ときたら、俺が帰って来たのに、目をそらしてんだぜ」 若林が憤るのも当然だと、三杉は頷く。元々チームメイトでお互いを認め合っている上に、親しいことは皆が知っているにも関わらず、わざわざ距離を置くから、不自然極まりない。つまらぬ遠慮がかえって気にかかることもある。 「別に、わざとじゃないよ」 岬の反論はあまりにも説得力がない。 「何でだ。岬は俺が帰って来たのが嬉しくないのか?」 「そんなこと言ってないよ」 「じゃあ、何で」 手首を掴み、逃げることを許さない若林に、岬はそのまま呟くようにこぼす。 「恥ずかしいんだよ」 「俺といるのが?」 「違うったら。無意識に反応する自分を人に見られるのが」 クレッシェンドの若林とデクレッシェンドの岬と。まだ時間が早いことを、三杉は深く感謝した。この時刻に起きてくるのは、朝練仲間の松山くらいだろう。そして、松山なら緘口令を敷くまでもなく、わきまえている。 それにしても、この二人の痴話喧嘩ときたら。誰憚らず好きだ好きだという奴と、恋にうつつを抜かし溺れていると無意識に自白する奴と。いつまで続くのだろう、と三杉はぬるくなったコーヒーに目をやる。 「岬」 ようやくまとまったらしく、岬を腕に収めてご満悦の若林と、抱き締められた腕の中で不本意そうな岬とを、三杉はかわるがわる見た。 「・・・とにかく、人前では慎んで、人に迷惑をかけないでくれたまえ。・・・まあ、無理だろうけどね」 仕方なく、締め括った三杉であった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 お題シリーズ、困った時の三杉くんです。 昨日の続きですが、二人は昨夜は何もしていません、念の為。 だって、試合ですもの。ただ、一緒にいてほしかったので。
拍手お礼: たまごぞうすい様。いつもありがとうございます。暖かい励まし嬉しいです。 演出気に入って頂けたようで、何よりです。頑張った甲斐がありました。 また是非お越し下さい。
拍手のみの方もありがとうございました。
from past log<2008.12.27>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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