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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
タオル
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「あれ、日向さん、こんなところでどうしたんですか?」
インターハイも終わって、東邦学園高等部のサッカー部にも、ようやく夏休みの風が吹いている。心持ち和やかな雰囲気の練習の中、日陰の水道で顔を洗っている日向を見咎め、反町はそっと近付いた。若島津と別行動なだけでなく、グラウンドの隅にある水道を使っていること自体が日向にして珍しい。色白の若島津とは違い、今更日焼けなど恐れる日向ではないはずだ。それもあって、日向びいきの反町の目にすら、人目を盗んでコソコソと行動しているように見える。
「な、何でもねえっ!!」
不自然な言いように、間違いなく何かある、と反町は確信した。そこで、日向が隠そうとしているタオルを引っ張った。
「このタオルどうしたんですか?」
反町の好奇心、猛虎をも出し抜く。コソコソとするのが性に合わない日向が躊躇う内に、反町は日向のタオルの端を掴んだ。広げた白地のタオルには、「KOJIRO」と趣味の良くない上に無意味に目立つ赤い刺繍がなされていた。才能の無駄遣いにも程がある。
「えっ、日向さん、もしかして!?」
まさか、趣味は最悪だが、刺繍の上手い彼女ができたのかと勢いづく反町だが、サッカー漬けの夏の日向に、女性に近付く余地があったとは思えない。若島津のガードは完璧だったはずだ。
「岬から、誕生日プレゼントだとよ。…うちが負けたら、良いプレゼントだったのに、とか言ってやがった…」
確かに、意匠は最悪で、嫌がらせの範疇だ。
「でも、そんなに大きい刺繍だと簡単にできそうにないですし、岬も相変わらず屈折しているみたいですね」
試合中よりも更に的確なフォローを入れた反町に、日向は「そうか」などと嬉しそうにしている。
「岬は日向さんにはきついからな。まあ、仲が良いから、あまえているんだろうけど。…あんなんでも嬉しい日向さんも相当だけどな」
いつの間に来ていたのか、隣で盛大に呟いた若島津に、人のことだと冷静なんだな、という感慨を抱いた反町であった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
日向くんのお誕生日おめでとうございます!実は今朝まで忘れていたので、慌てて書きました。地味に嫌がらせをする岬くんですが、プレゼントをくれること自体がレアなのだよ、とフォローしておきたいと思います。
以下、拍手お礼
ヨッシー様、残暑お見舞いコメントありがとうございます。
ゴムはまあ使うべきでしょうね。詳しくは述べませんが。すみません。

拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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