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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
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なし崩し
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
「…岬、今日こそ返事聞かせてくれ」
夕食の片付けも終わり、ふかふかのソファーに落ち着いたところだ。
僕が今まで体験したソファーとは座り心地の違い過ぎるソファー。若林くんの家の家具は一人暮らしにしてはどれも高級で、いつ来ても居心地の良いことこの上ないけれど、その中でもこのソファーは段違いで、若林くんの家が近かったら、きっと毎日来て占領するに違いない。当然若林くんも気に入っている様子で、僕が来ると半分譲ってくれて、若林くんは食後のコーヒーを、僕はカフェオレを飲んでゆったりするのが習慣になっていた。何か話す時もあるし、映画や試合の録画なんかを見て過ごす時もある。だけど、いつも決まってゆったりした素敵な時間だった。
その平和を破った若林くんは、僕の右手を掴んでいる。右側に座っているのに右手を掴まれると、力の差もあって、たやすく手繰り込められてしまう。
「返事?」
何の返事かは分かっている。僕が好きだから付き合って欲しいという告白への答え。最初に告白されて、考えさせてと答えて、じゃあ待つと言われてから、かれこれ一年くらいになるから、若林くんが焦れてくるのも無理はない。
でも、その一方でよく二人だけで会っていたのは確かだ。待つ、と言った割にはなし崩しで、キスされてしまっていたのも。
「今更聞くの?」
「どうしても、岬から許してもらいたくて」
…今更僕の許しなんか必要なんだろうか?
僕が君のことを好きなことくらい、とっくに知っていると思ってた。
確かにあまり素直とは言えない僕だけど、気の進まない相手とは出かけないし、誘われても行かない。…まして、キスなんかしない。
昔の友達に会いに行ったのも、その後会う約束をしたのも、若林くんだけだ。
初対面の時は年上だとばかり思っていた。同い年だと知ってからは、関心が湧いて来て、いつからか分からないけど、若林くんは忘れられない人になっていた。
僕達は男同士で、そういう関係にはなれないと思っていた。それでも、胸の中には確かに小さな芽が出ていて、若林くんの告白とともに、大輪の花を咲かせた。
…後戻りできないところまで来ていたのは、僕の方だった。
こうなるまで気付かなかった自分の鈍さを呪っても、咲いてしまった花を枯らす術は知らない。求められるまま、会っている内に、若林くんは言った。
「岬、キスして良いか?」
「ダメだよ。そんな理由もないし」
「友達だろ?お前だって、他の奴とはするだろ?」
…しない訳じゃないけど、日本人同士ではしたことがない。男同士もない。それは日本人学校の友達も同じで、フランス人でもミッツェルのお母さんとかは仕方ないけど、友達相手ではもれなく断っていた。
「…そうだね。挨拶だもんね」
頷いた途端に肩を掴まれた。そして、すぐにキスされた。その一連の動作でほぼ一秒。
「岬の唇は柔らかいんだな。頬もすべすべして気持ち良いけど」
そんな感想はいらない。挨拶だと念を押したのに。それなのに、僕の胸はドキドキして止まらなくなり、胸の奥の花は、水を浴びたように艶やかに咲き誇る。
「…キスなんかあまりしたことないから分からないよ」
そう呟くと、また肩に手をかけられそうになったので、慌てて避けた。きっと、落ち着いてはいられなくなる。
こんな関係を何というのか分からない。恋人ではない。でも、友達とは言いたくない。
ソファーで、若林くんは僕を覗き込んでくる。その瞳は真っ黒で、星を散りばめた夜空のようだと思った。見惚れる内に、僕は口を開いていた。嘘をついても、きっと見透かされてしまうから。
「…良いよ。付き合おう。君のことが好きだ」
僕は、付き合うと言っただけのつもりだった。それなのに、そのまま抱き上げられ、ベッドに投げ出されてから、その行き違いに気が付いた。
キスされるのは分かっていたけど、それだけであんなに自分が興奮することも、知らなかった。何度も唇が触れ、離れ、合わさり、受け取る。…離れる時の寂しさとくっつく時の嬉しさが重なって、キスが欲しくて、仕方なくなった。
「俺のこと好きか?」
頷く度に与えられるキスに夢中になった。一つ与えられれば、二つほしくなる。そうして何度もキスする内に、唇や舌の柔らかさよりも、その熱さが気になった。
若林くんは体温が高い。服の中に忍び込み、背中を半ば包むように触る大きな手も熱くて、まるで溶かそうとされているみたいだ。
「脱がすぞ」
「ん…」
この手の経験のない僕から見て、若林くんは随分手際が良いように思える。シャツを剥がされ、ズボンに手をかけられたところで、慌てて抵抗した。…それまでの興奮は一気に冷えた。のぼせていた頭に冷静さが戻る。
「若林くん、電気消して」
この手際の良さからすると、若林くんはそういう経験がある。若林くんの周囲を彩る調度を見れば、その趣味の良さから、きっときれいな女性達だったんだと思う。…比べられるのは勘弁してほしい。傷だらけの手足、骨張った、男の身体。そりゃ、若林くんの筋肉の鎧のような身体と比べれば、僕なんかは華奢な方だ。それでも、きれいだとは思わない。
「嫌だ。岬の顔が見たい」
「恥ずかしいよ」
そう言う間も、若林くんの手は僕の胸元をまさぐる。僕の反応を窺う意味は分からないけど。
「お前が感じてる顔が見たい」
ふわふわする感覚に、口元が緩む。…こんな顔はやっぱり見られたくない。
「電気消してよ」
盛大に赤くなっている顔を腕で隠す。その腕までが赤い。
若林くんは無言のまま、僕の耳元に唇を寄せた。ゆっくりと舐められて、ゾクゾクした。
「岬、俺がどれだけお前を好きか知らないんだろ?」
若林くんの囁きが体を縛る。確かに僕は君の気持ちが知りたい。
「俺もお前を全部知りたいんだ」
全部。胸の奥のこの想いまで。急に酸素を奪われたように、息が苦しくなった。知ってほしい気持ちと知られたくない気持ちが相半ばするけれど、降って来たキスにすべてを任せて、僕は目を閉じた。
どうしよう。頭の中の考えがまとまらない。何も考えられない。怖い。痛いのを通り越した途端、苦しくて、声が出そうになる。
「ふぁ…あっ」
シーツを掴んで、逃げたくなる。世界はぐらぐらして、揺らいでいて、このまま壊れるんじゃないかと怖くなる。
後ずさりしそうになった腕を掴まれた。のしかかられて見上げると、若林くんの顔が見えた。
「大丈夫…か?」
そう言う若林くんも余裕がなさそうだ。汗で前髪が乱れ、しかめた顔はいつもより険しい。絡められた指に、すがるように力を入れる。
「苦し…もう少し…ゆっくり…」
痛いのは何とか我慢できた。苦しいのは辛い。苦しいだけじゃないのが辛い。
「悪いが、加減できそうにない」
それまで慎重だったのが嘘のように、若林くんからはいつもの余裕が失われていた。受け入れた部分はとにかく熱くて、繋がっているのだと感じる。
こんなに苦しいのに、若林くんのことを嫌いになれない。少しでも気持ち良くなってほしい。
「僕は…大丈夫…」
愛されているのだと、軋む体が感じる。愛しているのだと、満ちた心が告げる。息もできないような有様で、僕は必死で叫んだ。
目を開けると、若林くんが頬杖をついて、覗き込んでいた。
それも、びっくりするような笑顔だ。いつもの精悍さは跡形もない。笑っていてもどこか鋭さのある目はすっかり下がっているし、いつもはきりりと結ばれている口元は緩んでいる。
「おはよう、岬」
僕の髪の毛に指をくぐらせて、耳元に髪をかけている。僕がいるのは、どう見ても若林くんのベッドで、ケットからは肩がむきだしで、その下もおそらく裸だ。
それで、ゆっくりと昨夜のことを思い出す。僕達は。
「おはよう」
若林くんは僕の頬を撫でた。その手の暖かさに、少しほっとする。
「…大丈夫か?」
僕は体を起こしかけ、下半身の尋常じゃない痛みに感じて、動きを止める。
「大丈夫じゃなさそうだな…とりあえず、飯食おうぜ」
若林くんは、パンとカフェオレを持って来てくれた。その間に、もぞもぞ動いて、ケットを体に巻き付けた。みの虫だってもう少しマシに動く位、無様だ。
「ベッドでご飯食べるなんて、初めてだよ」
笑ってみせるけれど、思ったよりも痛みはひどくて、腰が外れるかと思った。
「何でもワガママ言えよ」
軽く言われる。まあそうだろうね。ひどく満足そうな様子に、血色の良い頬を抓ってやりたくなる。
恋は惚れた方が負けらしい。僕と若林くんでは、どっちが好きなのかは一目瞭然だ。圧倒的に好きなのは僕で、抗うことすらできない。
「じゃあ、別れようか」
笑顔で尋ねると、若林くんは目を見開いた。
「付き合った途端に、こんな目に遭わされたら、誰だってそう言うよ」
体がバラバラになるかと思った。焼き尽くされて、何も残らないかと思った。先に愛の言葉をもらっていなければ、とても耐えられなかった。心の準備も何もなくて、本当は少し怖かった。
「僕は丈夫だから良いけど、そうじゃなかったら、そう言われても仕方ないよ」
教訓扱いにしてしまったのは、いつか別れるという不安があってのことだったのかも知れない。今までのような、なし崩しの関係が怖かったのかも知れない。ただ、若林くんは一般論として口にした僕に、激しい意志を剥き出しにしたような、きつい目を向けた。
「俺は、岬が良いんだ。お前しか要らない」
性急な相手に、警告程度のつもりだった。それ以上の意図はなかった。でも、それは逆鱗だったようだ。
「俺はお前と別れるつもりなんかないからな」
若林くんは暴力を振るうような人ではない。それでも、朝食のトレイはサイドテーブルに移され、若林くんは視線を外さない。
「若林くん、落ち着いて…」
若林くんが何をするつもりなのか分かってはいても、止める方法は思いつかない。昨夜の行為で、僕の体はとても抗える状態ではない。せっかく起き上がったベッドに埋められながら、僕は若林くんを見上げた。若林くんの頬にそっと両手を当てる。
「こういう扱いに甘んじている時点で、僕は随分君のことが好きだと思うけど」
むしろ、想いの深さで言えば、君以上かも知れない。それは口にせず、僕は降りてくる口付けに備えて、目を閉じた。
(おわり)
拍手ありがとうございます。
なし崩しに流されっぱなしの岬くんが書きたくなったので。何だったんだろう。
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[2018/04/10 22:00]
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