※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林源三の朝はとても忙しい。といっても恋人が泊まりに来た日だけであるが。
まず、ゆうべの情事の激しさが嘘のように静かに深く眠っている岬を起こさないように起き出す。暖かさを恋しがって抱きつく恋人を抱きしめたい気持ちも、眠り足りない花海棠のような寝顔を楽しみたい気持ちも捨てて、すぐに起きる。 それから、洗面台に行き、顔を洗って髭を剃る。顔が触れても、恋人の繊細な肌を傷付けないようにするためだ。その肌のことを思い出せば、寝床に戻りたくなる気持ちを押し殺す。 それから台所に戻り、朝食の用意をする。パンを温め、ソーセージと卵を焼く。岬好みのスクランブルエッグができるようになるまでは、そうかからなかった。自分用はコーヒーで良いが、岬のためには飲み物種類を用意している若林である。
用意ができたところで、岬を起こしに行く若林だが、ここからがいつも長い。 基本的にはしっかりしていて、人前では微笑みを絶やさず、試合では凛としている岬であるが、自分の前でしか見せない、隙だらけの姿も若林は好きだった。 いつもなら朝からきちんとしている岬が、情事の翌朝はなかなか起きずにふにゃふにゃしているのも、起きてもしばらくぼんやりしているのもどうにも好きだった。 そんな姿も好きだと若林が言えば、岬は恥ずかしさで死にそうになるに違いない。案外だらしない寝顔も、幸せそうに見えて見飽きないが、若林はそれでも岬を揺すぶり起こす。 「岬、飯冷めるぞ」 「ん…」 ふにゃふにゃと言いながら、頼りなく縋り付いてくる岬に、若林は寝癖の少しだけついた頭を撫でてやる。まだ目が覚め切っていないのか、素直にもたれかかって来る岬の髪を撫でながら、若林は岬の顔を両手で挟んだ。そうなると何をされるか分かっている岬が、慌てて離れようとする。 「ダメだよ!僕まだ歯磨きしてない!!」 慌てて飛び起きる岬に、若林はスリッパを揃えた後に笑顔で手を差し延べた。 「おはよう、岬」 若林の男らしい顔立ちが朝の光に照らされて、岬はうっすらと頬を染めながら、その手を取る。そんな寝起きの岬を堪能しながら、せっかくの朝食が冷め切るまでに起こすのが、若林の得意技である。
「美味しい!ありがとう、若林くん」 岬の称賛を受けたところで、若林の紳士な朝は終わる。そして、岬を口説く午前ラウンドが始まるのだった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 とてもマメな若林くんを書きたくて書いてみました。
ジャンプ+で、ついに再会回来ました!大きいPC画面で見られるのが素晴らしい。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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