※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 2
岬を引っ張って来て、見上さんに事情を話した。見上さんはさすがに理解してくれて、岬が合宿所に入ることを了解してくれた。元々スタッフの手違いで、数を間違えていたそうだ。 「案外きれいにしてるんだね」 「翼の部屋位しか行ったことなかっただろ?普通に使えば問題ない」 俺の部屋のベッドは一つ空いていた。そこを使うように言うと、岬は頷いた。 「じゃあ、そうさせてもらうね。…それで、いつ話すの?」 挑むように目を輝かせる岬の側に近付くと、向かい合うベッドに座った。 「じゃあ、今から話そうぜ」 そう言ったところで、岬は小さく首を振った。 「…良いよ。もう分かってるし。大方チームを強くするために憎まれ役を買って出たってところだろ?」 完璧な正解をこともなげに口にして、岬は微笑んだ。 「知ってたなら聞くこともなかったんじゃないのか?」 単に俺にプレッシャーを与えたかったのは明らかだった。どこか機嫌の良さそうな岬に、何となく腹が立って、俺は岬に近付くと、ベッドに埋めてやった。 「何するんだよ!」 俺は岬の手首を掴み、脇腹に手を伸ばして、思い切りくすぐった。 「きゃっ、わはっ、もう何するんだよっ!」 兄弟ゲンカで散々やられた手だ。甲高い笑い声を立てて、岬は逃げようとするが、簡単に逃がしはしない。岬は相当のくすぐったがりらしく、反撃しようとする力が抜けている。 「岬、笑えよ。笑うふりじゃなくて」 「笑ってるってば!もう、やめてって!あははは!や、やめてって!苦しいよ!」 逃げようとする岬に馬乗りになり、更にくすぐる。細くて白い手を伸ばし、岬は震えている。 「もう、やだあ…」 のたうちまわる様子の岬に、一旦手を止めると、岬は涙を浮かべていた。汗ばんだ額に、紅潮した頬。
気がついたら、キスしていた。
岬は抵抗しなかった。くすぐられるよりはマシだとでも思ったのかも知れない。想像していたよりも、ずっと柔らかい唇だった。
岬を解放してからは、特に何も話さなかった。岬は黙って荷物の整理を始め、俺は日課となった西ドイツチームの弱点メモを書いていた。
急にドアノブをガチャガチャする音が聞こえ、手前のベッドの側にいた岬がドアを開けた。 「岬、大丈夫か!?」 部屋に飛び込んで来たのは、日向だった。顔を見た瞬間、殴り込みだと気付いた。 「若林、岬に手を出したって本当か!?」 岬を後ろに庇いながら、日向が俺に向かって来る。 「お前、何言って…」 身に覚えがない訳ではない。一発殴らせてからやり返そうと思っていた時だった。 「小次郎、何言ってるのさ!」 割って入ったのは岬だった。日向に向かって大声を出した後、日向が振り上げた拳を下に下ろさせた。 「だって、お前がエロい声出してたって…」 まあ、確かにあの声なら誤解を招いても仕方ない。ただでさえ高くて可愛い岬の声に、少し違う響きが混じっていた。俺がクラッとして、衝動に駆られるほどの声だった。 「ゲームはしてたけど、悪い?」 岬は日向に微笑んでみせた。悪戯っぽく笑う岬は可愛くて、日向は反論できずにいた。そして俺も。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 童○若林くんと、素直じゃない岬くん。
以下、拍手お礼 おりょうさま、コメントありがとうございます。 岬くんの表情を読み取れるようになっても、それでも振り回されるのは、やっぱり友達だからだろうな、と思います。どこか踏み込みにくい雰囲気のある岬くんの殻に、若林くんはどんどん挑戦してほしいと思います。 だじゃれマニアの松山くん面白いですね。まあ、コンサドーレ札幌の選手だから仕方ないでしょう。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|