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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
勇者の憂鬱(2)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
旧拍手文です。

 勇者ツバサは、春のうららかな日差しの下を沈うつの面持ちで歩いていた。
 後ろには仲間の戦士ワカバヤシと、賢者ミサキが続く。二人は花の咲き誇る春の陽気を満喫して、ゆっくりと歩いていた。それも当然の事、二人にかなうようなモンスターはこの辺りにはいない。

 昨日、宿屋で泊まった時、隣の部屋の物音で目を覚ましたツバサがそっと様子を伺うと、二人は一緒のベッドにいた。
 いつものように、ミサキの部屋にワカバヤシが忍び込んだらしい。
「だ・・・め、ツバサくんに気づかれちゃう」
「でも、もう我慢できないんだ」
月に照らされたベッドの上、見つめ合う二人の姿は、まるで一幅の絵のよう。白いミサキの手足に、ワカバヤシが影を落としている。
「ミサキ」
ワカバヤシがミサキの髪を手繰り寄せて、耳元で囁いた。ミサキは身体を震わせながら、ワカバヤシに身をゆだねる。
「や・・・あっ」
「もっと良い声聞かせて?どうせ、誰も聞いてないから」
ミサキが声を漏らすまいと指で唇を塞いでも、安物のベッドが二人分の体重に耐えかねてぎしぎしと悲鳴をあげるのは防げない。

 注意することすらできぬまま、ツバサは自室に引き上げた。毛布を引きかぶり、違う仲間が見つかったら、二人と別れてやる、と心に決める。

「ツバサ、あのサルー石崎はどうだ?」
「もう少しレベル高い方が・・・」
「じゃあ、ガラスの貴公子ミスギなんかはどうだ?最強の黒魔術師らしいぞ」
「でも、彼を雇うと自分のHPもすぐ減っちゃうんだよね?」
 とはいえ、これ以上の仲間がいないのも確かだった。
 酒場で仲間を探しては、むしろ他の勇者たちにうらやまれながら、旅を続けるしかないツバサであった。

 頑張れ、ツバサ。世界を救うのは君だ。

(つづく)

他の勇者にはうらやましがられています。そりゃ、ガラスの貴公子ミスギを雇うよりは。

続き (3)

from past log<2008.12.26>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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