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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
お題:「今度という今度は愛想が尽きた」
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

本日も xxx-titlesさまよりお題をお借りしています。 お題一覧はこちら

 デンマーク戦を終えたU?22合宿に合流した若林に、元修哲メンバーが中心となって、歓迎会が開かれた。といっても、明日にナイジェリア戦を控えている以上、夕食後の軽い茶話会のようなものである。
「若林さん」
同窓会の様相さえ呈してきた歓迎会を、岬は優しい表情で見守った。高校の同輩の半分以上が群がってしまっている。本来なら面白くなくても不思議でない光景は、岬には十分ほほえましい。いくら三年間の蓄積があっても、若林の顔を見ると小学生に戻る仲間達を横目に、岬は古川に歩み寄った。
「ごめんね、ちょっと同窓会で」
チームのキャプテンが松山でコーチが三杉である以上、自分は精神的なサポートに徹しようと岬は決めていた。たいしたことはできなくても、差し出がましい真似はしたくない。
「若林って凄いらしいな」
日本では負け知らずのまま、黄金世代で最初に海外に出た。数々の伝説を残すGKだと聞いている。風見の言葉に、岬は頷く。
「うん。若島津とはまたタイプが違って、面白いよ」
他の者よりも、初見の相手とのプレーに抵抗のない岬が仲間に入れてくれたことで、フットサルコンビの合流がスムーズに進んだのは確かだった。敵に向ける攻撃性をまったく味方に向けることはない岬は、新参の二人から見ても変わっているが、有り難い人物だった。
「岬」
古川と風見が声の主を振り返った。そして、どうやって同窓会の包囲網を抜け出してきたのか、噂のSGGKが岬に後ろから抱き付いているのを目撃したのだった。

 岬に誰かが纏わり付いている光景は、黄金世代にとってはごく見慣れた光景であった。たとえそれが酔った若林であっても。だが、見慣れぬ者にはそれがいかに誤解を招く状況かは言うまでもない。それが誤解でなくとも。
 絶句するフットサルコンビを前に、岬は弁解しようとした。せっかくチームに馴染み始めた二人に、それは良くない。
「岬?寝よ」
しかし、若林の行動力、機動性はそれ以上だった。もの言いかけた岬をさっと担ぐと、そのままさらって逃げた。

「今度という今度は愛想が尽きた」
ご丁寧にも、合宿所近くのホテルにエスコートされた人さらいの被害者は、苦情を言い立てる。
「せっかく、あの二人もチームに馴染んできた頃なのに」
プレー中でも岬はチーム全体を見ることが出来る。ゲームメーカーとしての資質の高さであるが、それはフィールドの外でも変わらぬ性質である。
「しかも、酔ったふりまでして!君が酔っ払うのなんか、今まで見たことないよ」
岬の苦情に、若林は黙って耳をすませていた。人前では取り乱すことのない岬が、感情をあらわに怒っているのが楽しくて。久しぶりに生で動く岬が見られたのが嬉しくて。
「ごめんな。早く二人になりたかったんだ」
若林の言葉に、岬は困ったように微笑む。自分だって会いたかったし、人前でなかったら、抱き締められるのも、やぶさかではないけれど。
「うん、分かってる。・・・遅くなってごめんね。お帰りなさい」
本当は怒ってなどいない。照れくさかっただけ。激しくなる鼓動に、隠した気持ちも全部伝わってしまう気がして、岬は抱き締めてくる腕をぎゅっと抱いた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
ツンデレの岬くんです。「人前」「恥ずかしい」がポイント。
反対に若林くんは「みんなに言って回りたい」です。

よそのサイト様で、合流前夜を書かれたSSを拝見しました。
素晴らしすぎて、脳にインプットされてしまい、当日の話にしたら、こんなアホ話に。
唖然としたフットサルの二人を想像して、自分だけ楽しかったです。


 一昨日、15巻を買った某マンガが抜けなくて。1巻から読み返してしまいました。もう少しで色々書くところでした。危ない危ない。分かった方もしよろしければご連絡を。何でも書きます。

from past log<2008.12.26>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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