思いついて、昔懐かしいゲームブック風に書いてみました。以前に書いた『十年後』の二人がベースです。(二人とも南葛高校サッカー部に所属していて、岬くんは若林くんより1年先輩)
1「オレは若林源三。南葛高校サッカー部のGK。高校総体を目前に控え、宿敵東邦学園(チーム力13)を意識した練習を始めることにした。(現在チーム力10)誰と練習しようか? FW滝・来生→2 DF石崎了→3 MF大空翼→4 MF岬先輩→5」 2「得点力を高める為、FWを鍛えることにした。→6」
3「DFとの連携練習をすることにした。→7」
4「チーム一のシュート力を誇る翼とシュート練習をすることにした。→8」
5「岬先輩と特訓することにした。 もちろん下心がある→9 下心などある訳がない→10」
6「滝と来生には感謝されたものの、自分の練習にはならず、チームの出来上がりには不安を感じる。チーム力2アップ。→11」
7「『若林、助かったぜ』『若林さん!今日はありがとうございました』石崎と高杉に囲まれて、俺は複雑な気分になる。何よりむさ苦しい。しかし、防御力は高まり、チーム力3アップ。→12」
8「『さすが、翼だぜ』新しいシュートを引っさげて大会に臨む辺り、さすがに翼らしい。どちらのパワーアップにもなった。みるみるうちに、チーム力4アップ。→13」
9「休日に呼び出した岬先輩に、チームを強化したいと相談する。全国を渡り歩いた岬は東邦学園にも詳しく、今後の練習プランも練ることができた。大会までにチーム力4アップ。→14」
10「全国を渡り歩いた岬は東邦学園にも詳しく、今後の練習プランも練ることができた。大会までにチーム力4アップ。→13」
11「我が南葛高校は高校総体で勝ち進んだものの、東邦学園に敗れ、準優勝に終わった。優勝するにはまだ力が足りなかったようだ。END」
12「我が南葛高校は高校総体で勝ち進んだ。東邦学園と雌雄を決したものの、決着は付かず、結果は東邦との同時優勝。東邦を破るにはまだ少し力が足りなかったらしい。END」
13「我が南葛高校は高校総体で順調に勝ち進んだ。激戦の末、宿敵東邦学園をも打ち破り、優勝旗を手に入れたのだった。END」
14「岬先輩と戦略を立てて、少し安心した。 『今日付き合ってもらったお礼に、お昼おごりましょうか』 尋ねると、岬先輩はニッコリ微笑む。目にした者みんな虜にしてしまうという伝説のある極上の笑顔で、お弁当を取り出した。 『お弁当作って来たんだけど、食べる?』 もちろん食べる→15 何かおごりたい→16」
15「岬先輩のお手製のお弁当がほしくない訳がない。 『もちろん頂きます!』 迫った俺に、岬先輩は小さく頷いて、お弁当を取り出した。シンプルな弁当箱を開ければ、彩り鮮やかな弁当が現れる。 『どうぞ、召し上がれ』 『おっ、うまそう』 形の整った玉子をつまもうとしたら、岬先輩は困ったように微笑んだ。 『駄目だよ。ちゃんとお箸を使わないと』 俺の分までお箸を用意してくれていたらしい。 『いただきます』 岬先輩の気に入るように、出来るだけ行儀よく振る舞った。 『はい、どうぞ』 お弁当は本当に美味しかった。→17」
16「どうせだから、何かおごってやりたい。普段バイトに明け暮れているようだから。 『そんなこと言わないで、何が食べたいですか』 俺の言葉に、岬先輩は一瞬目を伏せたが、微笑んだ。 『良いよ。お弁当持ってきたから、家に帰るね』 そう言うと、岬先輩はさっさと駆け出した。・・・どうやら、失敗したらしい。→18」
17「『岬先輩、どうしたんですか?』 お弁当に舌鼓を打つ俺を、じっと見ている岬先輩に気づいた。 『若林くんって美味しそうに食べてくれるな、って思って』 『本当に美味いですからね』 『・・・でも、足りなそうだね』 岬先輩の申し訳なさそうな顔を見ていると、不思議な感情が湧き上がってくる。 『じゃあ、おやつは俺がおごりますよ。良いでしょ?』 岬先輩は後輩にやすやすと奢らせてはくれない。俺の言葉に、岬先輩は微笑む。 『うん。ご馳走様』→19」
18「去って行った岬先輩の後ろ姿に、それまで心の中でふくらんでいた色々な思いが、しぼんでいく。次の日岬先輩は普段通りだったが、目を合わせてはくれず、俺は何だか気分が悪かった。チーム力―1。→12」
19「『岬先輩、何食べたいですか?』 しばらく練習をしてから、帰り道に駅前に寄った。腹減った、と部室で行っていたこともあって、岬先輩も楽しそうについてくる。・・・デートみたいだと、ちょっと気分が良くなった。結局ファーストフード店に入った。俺も初めてだが、岬先輩も初めてらしく、盛大に見回している。 一緒に注文に行く→20 座席を確保してもらう→21」
20「岬先輩に好きなものを頼んで欲しかったので、一緒にレジに向かった。 『好きなもの頼んで下さいね』 『うん。じゃあ、僕ホットティーで』 ・・・ホットティーは一番安いメニューである。 『他には?これなんかはどうです?』 『要らないよ』 頑なに拒む岬先輩に、それ以上何も言えず、俺はコーヒーを注文して席に着いた。→22」
21「初めてで戸惑ったりする様子を見られたくはない。 『岬先輩、席とってきてもらえません?』 岬先輩が頷いて離れるのを見て、俺はレジに向かった。紅茶とコーヒーに、ハンバーガーとポテトとデザートを買う。自分の分はもちろん特大にする。 『ずいぶん、たくさん買ったんだね』 岬先輩がおかしそうに笑う。 『俺一人じゃ食べきれないんで、頑張って食べてくださいね』 トレーを机に置くと、ハンバーガーとポテトとデザートを岬先輩に手渡した。 『僕、本当はこういう店初めてなんだ』 無邪気に微笑みながら、食べる姿を目にして、少し嬉しくなる。こんなに側にいられることに。こんなに可愛い様子が見られることに。 →23」
22「岬先輩は、ホットティーを飲みながら、しきりにサッカーの話をする。確かに、誘った理由は練習だった。それでも、もう少し心を開いてくれても良いのに。紅茶の代金すら返しかねない様子に、何だか淋しくなった。→13」
23「『これ、もう一つどうぞ』 様子を見ていると、岬先輩は甘いデザートを楽しそうに食べていたので、つい声をかけた。岬先輩は俺を一瞬見て、ふっと笑った。図星かな、と思い、おかしくなった。 『甘いの、好きなんだ』 俺のことじゃないのに、微笑む唇から「好き」の言葉が発せられるのは心地よかった。 『そうなんですか、甘いの好きなんですか?』 『うん。けっこう好き』 もっと、何回も聞きたいくらい。俺も好きですよ。→24」
24「『じゃあ、明日も頑張ろうね』 別れ際に微笑む岬先輩に、俺の心は激しく動く。今日もこんなに楽しかったのに・・・もし、いつも一緒にいられたら。 『はい。また、デートしましょうね』 『もうっ何言って・・・』 足早に立ち去った岬先輩の顔は赤かった。少しは意識してもらえたらしい。
もちろん、我が南葛高校は高校総体で順調に勝ち進んだ。激戦の末、宿敵東邦学園をも打ち破り、優勝旗を手に入れたのだった。 『やったね』 お互いに抱き合いながら、勝利を喜び合う。近付いてきた岬先輩を抱き上げて、喜びを噛み締めた。END」
(おわり)
もし、これが大丈夫そうなら、「デート編」書きます。 23辺りは、某ゲームから借用。一応変えているので、分かる方もいないのでは。 心当たりがある方はお友達になってください。
from past log<2008.12.25>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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