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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
貴重な人
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「ネットでの噂なんだけどな」
反町の前置きに、食堂でゆっくりまったりしていた面々がごくりと息を飲む。いつもそう前置きされて始まる反町の大暴露に、期待している者も多い。
「松山が美子ちゃんと遊園地に出かけた時のことだ。コースターで荷物をロッカーに預ける仕組みだったらしくて、係員が『貴重品等はありませんか?』って聞いたら、松山が『彼女だ』って言ったんだってさ」
「おおおー」
誰のものとも判別のつかない、入り混じった叫び声が響く。ファン含め、広く彼女の存在を認知され、応援されている松山が、彼女とお出かけというシチュエーションだけでも盛り上がるところだ。それが、その状況の秀逸さもあって、更に盛り上がっている。
「違う、違う。俺はふ、藤沢だって言ったんだ」
顔を真っ赤にしながら、正直に訂正し、しかもストレートに言えない松山に、チームメイトの好感度は上昇を続ける。
「そうなんだ?それで、美子ちゃんは何て?」
噂の一部始終を知っているであろう反町は、その松山をつつくようにして先を促す。人のいい松山は顔を更に赤くしながらも、その言葉につられて続ける。
「藤沢は『そんな大げさなものじゃないです・・・』って真っ赤になってて可愛かったなあ」
そりゃ、赤くもなるだろう、とむしろ松山の可愛さを物語るエピソードに場が和む中、三杉と若島津が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「僕は違う人がそういう話をしたのを聞いたことがあるよ」
「奇遇だな、三杉。俺も別の奴が恋人のことを『宝物』とか抜かしているのを聞いたぞ」
その後に盛大に続くため息の二重奏に、岬は素早く立ち上がった。二人の表情を見ただけで、誰が誰のことを言ったのか不幸にも察したためだ。

 逃げるように反町達の輪に混じり、岬は話し出す。こと松山エピソードの分野で、元同級生の岬に敵う者はいない。岬視点の松山がいつも可愛らしいのもポイントだ。
「松山はすごいよ。同じ小学校の時に、松山が上級生からいじめられてたから、『いじめられてるみたいだけど大丈夫?』って聞いたんだよ。でも松山は『誰に?』って言い出して」
器用に松山の口調を真似ながら話す岬に、当の松山までもが聞き惚れる様子で、静かに聞いている。
「それで?」
「それで上級生の名前を答えたら、松山ったら本人に問いただしに行っちゃって」
「既にすごいな・・・」
「それで、直接聞きに来られて驚いている上級生に『いじめてるんだったら、やめてください』って言うもんだから、上級生も困って『分かった』とか返事しちゃって」
岬がそこまで話したところで、松山が口を挟んだ。隣同志で首を傾げ合っているのは、この二人の場合よくあることだ。
「え?そんなことあったっけ?」
「あったよ。松山、『いじめって結局何されたんだ?』って僕に聞きに来てたじゃないか」
「ああ、そう言えば」
ぽん、と手を打つ動作をした松山に、岬は困ったように微笑んだ。松山らしい話で、岬には忘れられない思い出の一つだった。
 松山には悪意も通じない。その上級生も毒を抜かれたことだろう。今日も松山の周囲を笑い声が取り巻いた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
松山くんお誕生日おめでとうございます。コピペのまとめを見ていたら、あまりに良いネタだったので、松山くんエピソードに改造してみました。
松山くんカップルは世間に応援されていそうで本当に微笑ましい。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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