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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
スーパー
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「若林くんってスーパースターだね」
岬が呆れるのも無理はない。夕食の材料を買いに来たマーケットで、サインを求められるのが3回、握手は5回目だ。
「黒髪だから目立つんだろうな」
若林はそう弁解したが、地元の人気選手なのは確かで、実力には見合ったものといえた。
「それだけじゃないよ。みんな君のプレーを大好きだもの」
まだドイツ語の拙い岬にも分かる程、若林のプレーを褒める言葉に、側にいる岬までもが嬉しくなる。
「それはありがたいな」
若林がこの国に初めて来て、随分経つ。過ごして来た日々を振り返るまでもなく、刻んだ足跡は確実に残っている。
「さあ、次の人待ってるよ」
笑顔で送り出してくれた岬に笑顔を返し、若林は次のサインを書き始めた。

 日本での合宿が始まり、練習試合のための移動中、マイクロバスから降りた面々に黄色い歓声が上がる。
「淳さま-!」
「松山くーん!」
通路用にロープは張られているが、そう役に立っていない。押し寄せる人の波を避けるように進み、岬が通路の中頃に差し掛かったところだった。
「岬-!」
それまでとは異なる声色に、若林が視線を向けると、カメラを構えた男性の一団が見えた。明らかに周囲からは浮いてみえる一団にも、岬は笑顔で手を振っていく。
「岬のファンクラブも人が増えたなあ」
呑気に言う松山にも、気にしていない様子の岬にも、言葉を失う若林に、若島津が追い越しざま同情混じりに肩を叩いて行った。
「岬くんはJリーグのスーパーアイドルって言われているからね」
三杉が笑って通り過ぎた時に、若林の顔からは表情が消えた。若林は歩く速度を上げると、前を歩いていた岬に追い付く。そして、笑顔で手を振っている岬の腕を掴み、走り出した。
「えっ?えっ!?」
驚いて反応できずにいる岬を強引に連れ去った若林は、追い付いたチームメイトには一応弁解した。
「岬の頭にゴミが付いていたんだ。まさか俺が取る訳にはいかないからな」
にこやかに笑う若林の頬には、鮮やかな手形が残っている。若島津は「さすがは若林」と肝を冷やしたのだった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
何だこれ。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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