※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「おはよう。タートルネックなんて珍しいな」 朝起きて来た岬は珍しいことにタートルネックのシャツを着ていた。そんなのも持っていたのか?と思う程珍しい。 「おはよう」 返ってきた岬の挨拶はそっけなかった。いつものけだるさだけではなく、顔には不機嫌の文字が刻まれている。 「コーヒーここ置くぞ」 「ありがとう」 コーヒーを差し出すついでに、さりげなく様子を伺う。昨日何かしただろうか?少し酔っていたから、岬が嫌がっていたのは覚えているんだが。 「いつもはもう少し襟の開いているのを着てるよな。岬は鎖骨がきれいだから、似合うし・・・」 そんなことを話した時に、強烈なプレッシャーが来た。 出所は明らかだった。岬を振り返ると、不機嫌どころか怒りを隠さない様子で、俺を睨みつけていた。地雷を踏んだと確信できた。明らかに怒っている。 「岬、どうしたんだ?」 何か怒らせるようなことをしただろうか?酔っていても、乱暴にしたりしていないし、いつも通り朝飯の支度もしている。 「本当に何も覚えてないの!?」 岬は突然大きな声を出すと、勢いよく俺を見上げた。ケンカをした時でもここまで声を荒げることは珍しいだけに、とっさに反応できない。 「君のせいだろ!」 言うのと同時に、岬はタートルネックの襟を少しめくった。白いほっそりした首に、不釣り合いな程の紅が目立つ。
酔っていたとは言え、昨夜の俺は岬にキスマークを付けてしまったらしい。オフとはいえ、よりによって、親父さんと会う約束をしている岬に。 「あ・・・」 「あ、じゃないよ!酔っ払ってしつこかったし、大変だった」 収まっていく口調とは逆に、岬の顔色はどんどん火がついたように赤くなっていった。その様子に、俺は昨夜何をやらかしたのか、ますます怖くなったのだった。
(おわり)
(おまけ)
「僕タートルネックは似合わない?」 不意に岬は微笑んだ。さっきまでの鬼気迫る様子が嘘のようだ。にっこり笑いながら首を傾げてみせる様子は可愛くて、俺でなくても目を奪われない者はいないだろう。ただ、その落差が怖い。 「若林くん」 ゆっくりと近付いて来た岬は、俺にもたれかかるようにくっついて来た。細い腕を絡ませ、柔らかい髪の香りが鼻孔をくすぐる。怒っていたのが嘘のようなサービスに、岬をよく知る俺としては、身構えざるを得ない。 「若林くんは胸板厚いし、襟の大きく開いた服が似合ってるよね」 そう言って、岬は俺の鎖骨にキスをした。キスマークを付けられているのだとすぐに分かったものの、吸血鬼にでも襲われているような気分だった。それも、喜んで身を差し出したような。 「今日はそれで過ごしてね♪」 一気に機嫌が直った様子の岬に、タートルネックを持っていない俺としては、途方にくれるよりなかった。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 お誕生日更新、楽しかったですが、疲れました。まあでも楽しい範囲で収まっているので、問題なし。
若林くんも岬くんも、タートルネックのイメージがないな、と。 昔男性キャラがタートルネックばかりのゲームをやっていたことを思い出したので、書いてみました。 鎖骨のきれいな岬くんも、胸板の立派な若林くんも、襟は是非大きく開けておいてほしいものです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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