※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんと電話で話しているうちに、三杉くんの話になった。先日三杉くんと会った時、今度ドイツに行くと話していたからだ。そのついでに若林くんの所に寄ったとかで、ひとしきり話したところで、若林くんが切り出す。 「そう言えばその時三杉が」 「うん」 三杉くんが、何だろう?まあ、三杉くんのことだから、何が飛び出しても不思議ではない。 「チョコレートの好みを聞いて来てな」 「・・ええっ!?」 打つつもりだった相槌は吹っ飛んだ。我ながら動揺し過ぎだ。
「どう答えたの?」 つい声が上擦る。この話題については、どうも打たれ弱い。 「恋人の作ってくれるのが一番だと答えたら、呆れてた」 まあ、そうだろう。その時の口調まで脳内で再現できるだけに、三杉くんが呆れた気持ちも理解できる。 「それで?」 「手作り以外では?って聞かれたな」 三杉くんはさぞ苦笑いだっただろう。 「それで何て答えたの?」 興味がない訳ではないので、恐る恐る尋ねた。 「恋人の好きなチョコレートが、俺の好きなチョコレートだ、と言った」 明らかに、一緒に食べることを想定した意見に、すぐには次の言葉が出なかった。若林くんは本当に、いつもいつも。 「それなら、岬の好きそうなのを考えておくって言ってたぞ」 更に頭痛の種になりそうなことを平然と言う若林くんに、僕は三杉くんに少しだけ同情しかけ、すぐに引っ込めた。自分から熊の尾を踏んだことには、同情する余地はない。その上つい昨日、三杉くんの彼女の青葉さんに、最新オススメチョコ情報を聞いたばかりだった。誰の差し金かは想像に難くない。 「それで、いつ来られる?」 そんなにペラペラ話しておきながら、当然のように確認をする若林くんも、赦免には値しない。 「考えておくね。じゃあ」 「岬~」 確答はしないまま、電話を切った。 残念なことに、今回教えてもらったチョコレートは本当に美味しそうだった。当日じゃなくても、翌日位には届けに行きたいと考えてしまうのは、一体誰の罠なんだろうか。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 バレンタイン本番がまだ書けておりません。頑張らねば。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|