※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「・・・どいつもこいつもふざけんなっ」 新年早々、大声を上げる石崎に、部員達が振り返る。 「どうしたの?」 にこやかに尋ねた岬に、石崎は少しだけ声のトーンを下げた。 「年賀状だよ、年賀状。岬はまともなのくれたけどよォ・・・」 石崎はそう言うと、畳の上に紙束をぶちまけた。 「他のチームの奴らまでわざわざ持って来やがった」 畳の上に撒き散らされたハガキには、どれもこれも石崎の写真が貼り付けてある。
全国高校サッカー選手権で、強豪校が集まるのは毎年のこと。それが、今年はわざわざ年賀状持参で来る者の多いこと。 「いつもはメールとかラインなのにね」 雑に切り抜いた石崎の写真を貼り付けただけの年賀状を整理しながら、岬がため息をつく。次藤に早田に・・・普段年賀状をくれたことのない面々だ。みんな暇なのだろうか。 「それは、今年が申年だからだろ」 自分も石崎の写真を使った年賀状を作成した井沢が横からその疑問に答えた。といっても、井沢はPCで画像を切り抜き、作成した年賀状を部員分プリントして来た辺り、芸が細かい。 「石崎は申年の化身みたいなもんだからな」 補足した浦辺も、石崎の写真を貼り付けて作った口だ。小学生時代の絶妙な写真を用意する辺り、積年の恨みがこもっている。 「何なんだよ・・」 それでも当の本人たる石崎には納得のいくものではない。いらつきながら、丸い頭をかいているところに、ゆかりが走って来た。 「石崎、あんた宛にお客さんよ」 ゆかりの案内を乞うこともなく、客は宿泊所の部屋の中に入って来た。 「邪魔するぞ」 「おっ、おまえたちは!」 石崎が驚くのも無理はない。そこに現れたのは南葛の宿敵である東邦のメンバー、反町一樹、若島津健そして日向小次郎だった。 「あけましておめでとう。年賀状持って来たぜ」 他の二人に代わって挨拶する反町に、南葛のメンバーにはお前らもかという諦めムードが漂う。 「あけましておめでとう。今年こそ負けないからね」 「おう、岬。今年もよろしくな」 和やかに挨拶を交わす岬にも空気を読んでほしいと願いながら、石崎は申年なんて嫌いだと心底思ったのだった。
(おわり)
あけましておめでとうございます。 さて、以前に「年賀状」という話を書きました。その時に、「申年になったら、南葛に年賀状送ったら」と書いていました。・・・6年経ちました。という訳で、今年も進歩もないあほブログですが、どうぞよろしくお願いいたします。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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