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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
夢五夜 第二夜
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
※昨日の話とは繋がっておりません。


 こんな夢を見た。

 俺は病気らしかった。

 岬に触れると、鼓動が激しくなる。最初は単なる気のせいだと思っていた。
 目の前で岬が微笑む。明るく笑う声が心地好い。それなのに、何故か体の中がザワザワしてくる。
 アレルギーと診断を受けても、俄かには信じられなかった。

 何しろ、やっと想いが伝わり、付き合い始めたのだ。

 最初は痒み位で、大したことはなかった。だが、キスをしたり、抱き合ったりすると、効果は覿面だった。

「若林くん、どうしたの?」
耐えられなくなり、ついに手を止めた俺に、岬が首を傾げる。自慢じゃないが、痛みには強いと思う。だが、痒みに対してはそうではない。
「・・痒い」

 病院に行くまで事情を話したところ、岬は怒り始めた。
「どうして言ってくれなかったの!」
自分のことのように、いや恐らく自分のこと以上に必死になっている岬に、ガラス越しにしか会話できない状況が恨めしくなる。
「言える訳ないだろう」
岬に触れた途端、体の中、皮膚の下で暴れるような感覚が蘇る。落ち着かなくなるのは、どうしようもない想いの詰まった胸の中だけで良い。
 好きな相手の前だけで現れるという新種のアレルギーだという。想いが強ければ強いだけ、症状はひどくなる。
「・・・こんなになるまで、よく我慢しましたね」
医師は半ば呆れた口調で言った。こうしてガラス越しに見る時でさえ、サングラスをかけなければならない。あの、きれいな目を見ることすら叶わない。
「薬はないの?」
それは既に尋ねてあった。症状を和らげる薬はあっても、特効薬はないらしい。
「じゃあ僕が変装して・・・」
「もダメだろうな。お前変声器も使ってるのに、まだ痒い」
そう言うと、岬は俯いて黙り込んだ。こんな顔をさせるために付き合った訳ではないのに。仕方なく、俺は医者から聞いていたことを話す。
「・・・あることにはあるんだが」
あろうことか、岬の前で××しないといけないらしい。そして、それはどうしても嫌だった。
「教えてよ」
切ない顔で見上げる岬に、今すぐ抱きしめたい衝動に駆られる。その興奮が悪かったのか、俺は次の瞬間意識を失った。

 目が覚めると、岬がいた。俺が倒れている間に、××は終わったと医師が教えてくれた。
「良かった!心配したんだよ」
縋り付いてくる岬の目は涙に濡れていた。腕に触れる岬の頬は柔らかく、髪の匂いが鼻孔をくすぐった。
「岬」
抱き寄せても、ざわつくのは胸の奥だけ。疼くのは体の奥だけ。熱くなる感覚はあっても、痒さはなかった。

 ××のことはもう忘れることにした。岬も早く忘れてくれると良いのだが。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
アレルギー話、はみちんこ様とお会いした時に出たのですが、その解決法が思いつかず、実際に見た夢と結びつけました。
××辺りは夢で見た時は面白かったのですが、文章にするとあまりですね。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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