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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 カーテンから漏れる朝の光で目覚めた。休暇でも、いつも通りの時間に目が覚めるのは、体調管理がうまくいっている証拠だと自賛する。
 隣には、岬がいて、カーテンを少し開いても、まだ目覚める様子はない。

 お互いの汗と体液でドロドロになった体をシャワーで流してから横になったが、岬はベッドまでもたず、最後は抱き上げて運んだ。随分無理をさせた自覚はあるが、眠る岬は口元を笑みの形に緩めていて、何処か幸せそうに見える。
 岬と過ごして、朝を迎える。普段離れているだけに、滅多にないことだ。朝の光の中で、ゆったりと眠りに身を沈めている岬をいくら眺めても、見飽きることはない。少しだけ寝癖のついた髪を額から払い、白い頬を少しだけ彩る桜色に見惚れる。
 こうして、あどけなくさえ見える岬の寝顔を見ていると、普段会えない辛さを、一緒にいられる喜びを実感する。


「きっと君は、飽きるよ」
最初に口説いた日に岬は言った。
「お前とは、恐らく一生サッカーつながりだ。生半可な覚悟で口説くと思うのか?」
「・・・じゃあ、一度だけ。それなら、良いよ。その代わり、もう好きなんて言わないで」
覚悟はしていたつもりだった。だが、岬を抱いた時に、俺の覚悟は浅かったことを悟った。必死に耐える岬の目には涙が浮かんでいる。細い全身をしならせて、軋む痛みに耐える様子に、岬の覚悟を知った。まるで慣れているかのような軽口に釣られたことを、目先の欲に負けたことを、後悔した。
「ねえ、分かった?僕の方がずっと好きなんだよ?これで諦められるよね?」
俺の下で、鳴きながら泣く岬に、それは逆効果だと思った。何に遠慮をしているのか、何を恐れているのかは知らないが、そんなに可愛く口説かれたら、諦められる訳がない。
「まさか。一生賭けてでも口説き落としてやる。俺は諦めが悪いんだ」
幸い、一生はかからなかった。岬も往生際が悪かったが、根比べは俺の勝ちだった。

 それだけに、次に一緒に朝を迎えた時は、かえって胸が一杯になった。二度目とはいえ、岬は予想していたよりもずっと辛そうにしていた。それでも苦痛に耐えながら、俺を受け入れてくれた岬は想像していた以上に可愛くて愛しくて、高ぶった感情はなかなか鎮まらなかった。

「ん・・・」
岬の瞼が僅かに動いた。カーテンを少し開けたせいで、眩しかったようだ。カーテンを少し動かし、光を減らしてやる。
 幾度も同じ朝を過ごし、今ではこんな風に穏やかな気持ちで岬の寝顔を眺めることができる。切なかった夜も、幸せだった夜も、越えた。その幸せを味わいながら、俺はまだ熟睡している眠り姫を抱き寄せた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
源岬デーなので、ちょっと変わった話を書きたくて、こうなりました。
いつもの二人じゃないかって?そうかも知れません。

年末年始からこちら、体調崩しておりました。ダラダラついでに、書いてばかりでしたので、寝正月とはいいがたいとみちんこ様に指摘を受けましたが・・・。
ダラダラついでに、目次を整理したりしていたのですが、スマホと携帯テンプレートにカウンターが入っていないことに気付き・・・前のには入れていたはずなので、変えた時に入れ忘れていたようです。この状態でキリ番とかやると失礼間違いなしでした。気付いて良かった。
その年末年始、変な話ばかり書いていたので、公開できる成果はなし。きちんと書き直しができたら、拍手を更新しようかと思います。自分の精神状態が何より怖い。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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