※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 シリーズ「甘い恋」。お題はTOY様よりお借りしました。 君が、いてくれるだけで。
「大丈夫か?」 「うん」 元気を装って答えても、君には何故か伝わってしまう。僕が君の不調も分かってしまうように、きっと。 「本当か?」 疑り深い口調に、やっぱり伝わっていることが分かった。だから、少しだけ正直に言う。 「・・・君がいなくて寂しい」 あまりはっきり言うのは恥ずかしくて、潜めた声で呟いた。若林くんは一瞬黙って、それから囁いた。 「今すぐ、お前を抱きしめたい」 距離を隔てても、電話越しに聞こえる囁きは、僕の好きな声で響きで、電話越しに高鳴る鼓動が聞こえてしまうのではないかと心配する程。 「嬉しい」 それだけしか、声にならなかった。普段僕達は遠く離れている。プレーするチームも別で、住む国すら違う。それでも、心の中には、いつも若林くんがいる。
若林くんが、ドイツに住むよう誘ってくれた時に胸を過ぎったのは、離れたくないという気持ちと、負けたくはないという気持ちだった。先を進む若林くんにこのままではいつかは置いて行かれるに違いない。
今なら踏み出せる。愛し愛される関係なら尚更、お互いの世界を持ったまま、対等の関係でありたい。今、若林くんの存在が僕を照らし、助けてくれているように、いつか若林くんを助けられる僕でありたい。
僕はフランスに残ることを選択した。父さんは一切反対しなかった。選んだ道を進む僕を誇りに思うとまで言ってくれた。
練習を終えて、一人になると、自然に若林くんのことを思い出す。そろそろ練習が終わった頃かな?ちゃんとご飯食べているかな? 考えている内に、会えていない日を数え、会えるまでの日を数える。寂しくても、心配をかけることはしたくない。そして、会えた時に笑っていられるよう、毎日を大事に過ごす。 会えなくても、君がくれた種は、しっかり僕の心に根付いているよ。
遠くても、いつも君を想う。そして今、君を愛してる。
(終わり)
拍手ありがとうございます。 岬くんに始まり、岬くんで終わる、は計画通りだったのですが、岬くんの進路が計画外に。 甘いものが書きたくて、ドイツで一緒に生活してもらうはずだったのですが、何故かこうなりました。 いや、これはこれで、自分らしいのですが。
以下、拍手お礼。 snow様、いつもありがとうございます。 こちらこそいつもトキメキをいただいていますのに、過分なお言葉ありがとうございます。 つい嬉しくて調子に乗って2回更新してしまいました。 少しずつ歩み寄って行って、気付いたら離れられない、というのが理想なのですが、 まだまだほど遠いです。 思ったほど甘くならなくて失礼いたしました。 更新終わったら、そちらに伺い、堪能させていただきます。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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