※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 シリーズ「甘い恋」。お題はTOY様よりお借りしました。 岬は時々遊びに来る。父親を説得してフランスに残り、首尾よく地元のチームに入ったと聞いている。 「ちゃんと食ってるか?」 「うん。若林くん程じゃないけど」 可愛く憎まれ口を叩く岬に、どれ、と腰を抱いた。 「もう、若林くんのえっち」 ふざける俺に、岬も少しふざけて笑う。そんな当たり前が、それだけで嬉しい。 確かに、少し痩せたが、引き締まった程度でしかない。背も伸びた。そして、笑う余裕がある。 初めての一人暮らしだから気をつけろと繰り返す俺に、前の部屋を家主さんの好意で格安で貸してもらってるんだよ。大丈夫、と岬は微笑む。その様子を見て、本当に大丈夫そうだと安心する。それでも、一言付け足した。 「困ったことがあったら、いつでも言えよ」 「うん。君って過保護だね」 「知らなかったか?」 軽く笑って、苦笑している岬の髪を撫でた。こうしていると、簡単に腕の中に抱き込める。優しい面立ちに筋肉の薄い身体。それでも、俺はお前に敵わない。
初めてドイツを訪ねて来てくれた時、カルツ達には随分からかわれた。 「ゲンゾー、お前さんにも弱点があるんだなァ」 「どういう意味だ?友達が来てくれたら、嬉しいだろう?」 「その割には蕩けそうな顔してるぜ」 笑ってしまっていた顔を撫でた。そうか、と思った。
きっと周囲から見れば明らかな恋だった。
「でも、若林くんが心配してくれるのは嬉しいな」 「愛されている気がするだろ?」 「もう・・若林くんは」 冗談に紛らわしたつもりはなかった。少し呆れたように横を向いた岬の顔にはほのかに朱が差し、少しだけ動かされた唇が、嬉しそうに見えた。 「でも、ありがとう」 笑う岬はまるで花が咲いたようだと思う。その顔だけで幸せな気持ちになる。きっと俺も同じような表情になっているに違いない。あいつらに見られたら、笑われること間違いなしだろう。
実際幸せなんだから、仕方ないよな。 「ああ」 微笑む岬にまた笑みを誘われた。
(終わり)
拍手ありがとうございます。 週末に休日出勤が入りそうなので、次回分も先に更新します。
2ちゃんのまとめ記事が色々ひどい。(でも面白かった) http://rabitsokuhou.2chblog.jp/archives/68383888.html
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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