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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
3-2:お前のことを考えない日は無くて、
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。
シリーズ「甘い恋」。お題はTOY様よりお借りしました。

「見送りはいらないからね」
岬はそう言った。
「見送られるのは苦手なんだ」
いつもよりは、頼りない声で、岬が呟く。逢瀬の名残を残すような乱れ髪に、俺の心も乱れる。
「残念ながら、その日は試合なんだ」
そう告げると、岬は安堵の息をついた。
「そう・・・」
ほっとしたような、残念がっているような、複雑な口調に、岬を振り返る。
「その代わり、絶対に日本まで会いに行くからな」
「ありがとう・・・待ってるよ」
握った指は細くて、白い。細身で華奢で、きつく抱き締めたら折れそうなこの身体を、抱いた。恥じらいながら、背中に伸ばされる腕に、普段とは違い、甘えるように擦り寄せられる頬に、どんどん愛しさが込み上げて、離れる辛さは増した。
「岬」
少しだけ跳ねた髪を直してから、岬の頭を抱え込んだ。
「髪・・また乱れちゃうよ」
くすくす笑いながら怒っても説得力はない。こんなやり取りすら楽しいのに、結ばれた途端に、また遠ざかる。だから、口にしようと思った。

 友達の時には許されなくても、今なら言っても良いはずだった。

「ドイツに来ないか?」
恋人としての俺の寂しさも喪失感もあるが、岬のプレーが好きな俺としても、岬が日本に帰るのは残念だ。今の日本にサッカーに専念し、能力を伸ばす場所はない。
「・・・今更、無理だよ」
岬の声は少し震えていたが、感情が動いたことの何よりの証左だった。
「じゃあ、俺から親父さんに頼むことにする。それなら良いか?」
俺の発した言葉に、岬は唇を噛み、俺を視た。その表情からはさっきまでの甘さは消え、凛とした強さを感じさせる。
「それぐらいなら、僕が自分で言う。でも、僕はドイツには行かない」
まっすぐ向けられた瞳は、まるで初めて会った時のようだと思った。
「それでどうするんだ?」
その表情からは、岬の意志が感じられた。初めて対戦した時に、必ず勝つと決めて挑んできた岬。最初に会って、一目で、魅せられた時のようだった。
「フランスに残るよ。安い部屋を借りて、こっちのチームに入る」
瞳は夢を秘めて輝く。岬が決めた以上は、その通りにするのだろう。一抹の寂しさと、残った希望が胸を過ぎる。
「困ったら、いつでも言えよ」
側にいることは出来なくても、お前のことを思わない時はなく、お前のことを考えない日はなくて。
「うん。・・・ありがとう」
きつく抱いた腕の中、岬が囁いた。

(終わり)

拍手ありがとうございます。
仕事でイベント的なものがあり、打ち上げに行きました。
私は後方支援だったのですが、職場の仲間達が
「支援がしっかりしていると、安心」「GKが鉄壁だと安心して走れる」
「シジマー●やカー○級だ」とほめてくれました。
古いし、ゴツイし、それほめてるんか?と笑ってしまって、まともに返答できませんでした。
そうか、GKなのか。

私信 数日前にメール送信しました。迷惑メールフォルダに入っていないことに祈ります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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