※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 シリーズ「甘い恋」。お題はTOY様よりお借りしました。 「見送りはいらないからね」 岬はそう言った。 「見送られるのは苦手なんだ」 いつもよりは、頼りない声で、岬が呟く。逢瀬の名残を残すような乱れ髪に、俺の心も乱れる。 「残念ながら、その日は試合なんだ」 そう告げると、岬は安堵の息をついた。 「そう・・・」 ほっとしたような、残念がっているような、複雑な口調に、岬を振り返る。 「その代わり、絶対に日本まで会いに行くからな」 「ありがとう・・・待ってるよ」 握った指は細くて、白い。細身で華奢で、きつく抱き締めたら折れそうなこの身体を、抱いた。恥じらいながら、背中に伸ばされる腕に、普段とは違い、甘えるように擦り寄せられる頬に、どんどん愛しさが込み上げて、離れる辛さは増した。 「岬」 少しだけ跳ねた髪を直してから、岬の頭を抱え込んだ。 「髪・・また乱れちゃうよ」 くすくす笑いながら怒っても説得力はない。こんなやり取りすら楽しいのに、結ばれた途端に、また遠ざかる。だから、口にしようと思った。
友達の時には許されなくても、今なら言っても良いはずだった。
「ドイツに来ないか?」 恋人としての俺の寂しさも喪失感もあるが、岬のプレーが好きな俺としても、岬が日本に帰るのは残念だ。今の日本にサッカーに専念し、能力を伸ばす場所はない。 「・・・今更、無理だよ」 岬の声は少し震えていたが、感情が動いたことの何よりの証左だった。 「じゃあ、俺から親父さんに頼むことにする。それなら良いか?」 俺の発した言葉に、岬は唇を噛み、俺を視た。その表情からはさっきまでの甘さは消え、凛とした強さを感じさせる。 「それぐらいなら、僕が自分で言う。でも、僕はドイツには行かない」 まっすぐ向けられた瞳は、まるで初めて会った時のようだと思った。 「それでどうするんだ?」 その表情からは、岬の意志が感じられた。初めて対戦した時に、必ず勝つと決めて挑んできた岬。最初に会って、一目で、魅せられた時のようだった。 「フランスに残るよ。安い部屋を借りて、こっちのチームに入る」 瞳は夢を秘めて輝く。岬が決めた以上は、その通りにするのだろう。一抹の寂しさと、残った希望が胸を過ぎる。 「困ったら、いつでも言えよ」 側にいることは出来なくても、お前のことを思わない時はなく、お前のことを考えない日はなくて。 「うん。・・・ありがとう」 きつく抱いた腕の中、岬が囁いた。
(終わり)
拍手ありがとうございます。 仕事でイベント的なものがあり、打ち上げに行きました。 私は後方支援だったのですが、職場の仲間達が 「支援がしっかりしていると、安心」「GKが鉄壁だと安心して走れる」 「シジマー●やカー○級だ」とほめてくれました。 古いし、ゴツイし、それほめてるんか?と笑ってしまって、まともに返答できませんでした。 そうか、GKなのか。
私信 数日前にメール送信しました。迷惑メールフォルダに入っていないことに祈ります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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