※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「若林くん、これから嘘をつくよ」 4月1日だと思い出した岬の思いつきだ。楽しげに唇を象り、岬は悪戯っぽく瞳をめぐらす。よほど楽しい思いつきらしい。 「若林くん」 岬は俺の目の前まで来た。ソファーに座る俺の前、ほとんど額がくっ付きそうな距離まで、岬は顔を寄せてきた。 「大好きだよ」
どういう意味だ。
ほんの少し手を伸ばせば、膝に抱きかかえられる距離しかない。そんな可愛らしい笑顔で「嘘」と前置きして言われても、誘われているとしか思えない。普段は、どんなに頼んでも、好きだなんて言わないくせに。
「うわっ!」 無言のまま、岬の肩を掴んで引き寄せた。反動で、俺の膝の間に倒れ込んだ岬を、強引に抱きしめる。 「何するんだよ」 「やっと好きだって言ってくれたからな」 エイプリルフールは嘘をついても良いだけで、嘘をつかなければならない訳ではない。岬のあの目の輝きはそういう意味だろう。それを逆手にとって、俺は字義通りに受け取ってやることにした。「嘘をつく」が「嘘」なんだと解釈して。 「好きな奴から愛の告白をされたら、することなんて一つだろ?」 ソファーに膝をついたままの岬を離さず、顔を上げた。
まともに目が合う。
細い顎、頤を手で支えて、背中を押すようにして引き寄せた。感触もしないほど一瞬唇が触れ、岬は慌てて身を起こした。 「嘘だよ。分かってるよね?」 「お前が嘘なんかつける訳ないだろ?それに」 もう一度引き寄せる。今度こそ逃げられないように、頭の後ろに手をかけた。 「狼少年は狼に食われたろ?」 観念した岬が謝っても、許してやる理由はなかった。
「大好きだよ」
を実践してもらうまでは。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 4月になっても忙しい。1日に間に合いませんでした。お恥ずかしい。
とりあえず、キャプ翼マンチョコ買いました。まだ開けてもいませんが。
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|