随分前(2009年)に書いたものを発見しました。更新1回分。使っちゃおう。 「波紋」の続きとして書いていたのではないかと思います。こじらせていますね。 ※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 「何、ボサッとしてやがる」 「ナポレオン!」 自分の頭を叩いた手に、岬は慌てて反応した。少し高い位置から金髪を揺らして微笑むのはナポレオンである。 「よお。お前も受けるのかよ」 フランスでチームに入るなら、地元パリの雄PSGと岬は決めていた。そのプロテスト会場でナポレオンと出会ったのは吉と出るか凶と出るか。 「ナポレオンこそ」 スイッチが入ったらしい、とナポレオンは岬の顔を盗み見る。華奢で童顔のこの東洋人は、ボールを前にすると変わる。笑顔も小柄な体格も変わらないのに、印象ががらりと変わり、何倍も大きく見える。 「ピエールに呼ばれたのか?」 「うん」 呼ばれたなんて生易しいものではない。半ば罵られ、半ば喧嘩腰だった。 「しつこく口説かれただろ?」 「まあね。でも、決めたのは僕だよ」 「あいつは本当にお前に執着してるからな」 執着、なのだろうか?と当の岬は思う。過激なハッパをかけてくれる友人を思い浮かべて、岬は苦笑した。 「まあ、とりあえず、よろしくな。俺にも良いパスをくれよ」 にやり、と笑って手を差し出して来たナポレオンに、岬も手を伸ばした。そこまでの自信はない。やるだけのことはやるけれど。 「ここまで連れて来られたら、お前の負けさ。おとなしくPSGに捕まりな」 落ちるかも知れない、そんな迷いなど一切感じさせないで、ナポレオンは笑う。 もし、落とされたら、こんな見る目がないチームは自分から願い下げだと吐き捨てるんだろうな、と岬は予想した。 「俺達とお前、こんなオフェンスラインはそうないぜ」 いつの間にか、テスト自体よりも、ナポレオンに対する周囲の眼差しが気になってくる。 それでも、ナポレオンと会ったのは吉だ、と岬は思った。きっと肩の力が抜けて、周囲を見る余裕まで出て来ている。今の自分に出来る事に全力を尽くそう。岬は改めて決意した。
(おわり)
拍手ありがとうございます。 昔のPC自体は壊れているのですが、昔とったバックアップは生きていたので、古いデータだけは無事でした。 これもその中に。この設定好きなんですね。
以下、拍手お礼。 3/9 20:30に「IF(6)」に拍手くださった方、ありがとうございました。 正史、があれですから泣けますよね。テクノが正史で良いと思います。 「自分設定」という便利な言葉を多用してしまっている私が言うのも何ですが。
拍手のみの方もありがとうございます。励みになります。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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