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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
やけどに注意
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「若林くん、もしかして猫舌?」
ソーセージを吹いて冷ましている俺に、岬が不思議そうに覗き込む。
「そうでもないんだが、ソーセージとジャガイモは危険だ」
岬の表情も当たり前だ。我ながら、猫舌という顔はしていない。少し熱いものが苦手な位だ。
 だが、ドイツに来てから、中に熱の篭る食物は危険だと思い知った。特に、ソーセージとジャガイモは油断するとひどい目に会う。
「そうだね」
俺の答えに、岬は愉快そうに笑い声を立てる。
「夏目漱石も芋は危険だって書いてたよ。あっちはサツマイモだけど」
優しい面立ちを、更に柔らかい表情に崩し、岬は微笑んだ。こうやって笑う岬は可愛い。親しくなるにつれて、岬の表情を知るようになった。昔はいつも笑っているのだと思っていたが、そうでないことも。滅多に見せない怒っている顔も、拗ねている顔も可愛いと思う。だが、楽しそうに笑っている顔はやっぱり格別に可愛い。
 それでも、一方的にからかわれるのは性に合わない。
「岬、たくさん食えよ」
「ええっ!?」
岬は目を上げると、恨めしそうに俺を見る。少食ではないらしいが、俺のチームメイトなんかと比べると圧倒的に食う量の
少ない岬だ。たくさん食えというのは負担らしい。
「若林くんこそ。こっちのもどうぞ」
そう言って、岬は自分の方にあったシチューの皿を手にした。だが、すぐにテーブルに戻す。
「このままだと熱いよね?」
岬は悪戯っぽく瞳をめぐらすと、スプーンに掬ったシチューをふうふうと吹いた。その様子が妙に可愛らしく、俺はそのスプーンに手をかけると、岬が冷ましてくれたシチューをスプーンごと口に含む。
「熱くない?」
ジャガイモが少し熱い。その口の中よりも、シチューを飲み込んだ胸が熱い。
「舌をやけどしたら、消毒してくれるか?」
舌を出した俺に、岬はみるみる赤くなった。
「知らないよ」
突き放すような口調で目を逸らし、岬は横を向いた。ふっくらした唇が、機嫌悪そうに少し尖っているのを盗み見て、そのうち奪ってやる、と心に決めた。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
個人的に若林くんの方が猫舌という印象があります。岬くんは日向くんと鍋をしても競り勝つイメージです。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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