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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
SR岬
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

「何だか、みんな携帯触ってない?」
久しぶりの招集で顔を合わせたチームメイトが、やたらとスマホを触っている様子に気付き、岬は首を傾げた。
「理由はこれだぜ。今流行ってんの」
浦辺の示した画面を覗き込む岬に、森崎が意気揚々と説明を加える。
「携帯のサッカーゲームなんだけど、世界のサッカーチームの選手が出て来てさ。ガチャでカードを集めて、それでチームを強化するんだ」
携帯ゲームをしたことのない岬には、その説明でも不足だった。全く理解できておらず、怪訝な表情の岬に、森崎は実際の画面を開く。
「これがスタート画面で、チームを確認すると攻撃力、防御力とかスピード、パワーとか書いてあるのが、このチームの力な」
いくらこういうことに疎い岬とて、一般的なゲームをしたことがない訳ではない。小さく頷いた岬に、森崎はチームを見せた。
「これが俺のチームな。俺は監督で、このカードを集めていく訳。カードは実在の選手をもとにそれぞれステータスを振っててさ。その値の合計がチームの力になるわけ。あと、各ポジションに置ける選手は限られてるから、それぞれ良い選手を取ってくると有利になるんだよ」
「うん、それは分かる」
森崎のチームが強いのかは岬にはよく分からない。ただ、ロナウジーニヨやシュナイダーを並べている以上、恐らく強いのだろうと推測する。こうして見せてくれるのはおそらく、自慢に違いない。
「それで、選手を手に入れる方法がこのガチャ。ガチャガチャマシーンに似た感じで、押すと1枚カードが出る」
「へえ・・・」
森崎はガチャのボタンを押した。出たのは「石崎了」で、岬は思わず笑みを浮かべた。
「あっ、石崎くんだ!Jリーグの選手もいるんだね!」
「ああ。でも、それノーマルだから、あまり使えないんだよな」
慣れた動作で、森崎は石崎のカードを素早く「売却」した。
「折角石崎くんが出たのに、売っちゃうの?」
「持てるカードの上限があるから、いらないカードは売る方が良いんだよ。その分特訓代になるし」
「へえ・・・」
納得のいかない顔で、岬は気のない相槌を打った。すぐ近くには石崎もいる。普段の石崎ならすぐにでもツッコミを入れるところだが、何とも表現できないような表情で、森崎の暴言にいちいちピクッと肩を揺らしながら、なお口をつぐんでいるのが余計に哀れだ。石崎くんのカードは普段からこういう扱いをされているらしい、と岬は理解した。
「今のが無料のガチャで、もっと良いカードがほしい時は、有料のガチャもあってさ」
もっと良い、のところでまたもや石崎の肩が動いた。岬はそれを見なかったことにして、森崎ご自慢のチームを見る。
「もっと良いカードって?」
「こういう星マークの多いカードでさ、レアとかスーパーレアって言うんだけど、世界のトップクラブで活躍してる選手なんだよ。出る確率は低いけど」
「へえ・・・」
星がたくさん散りばめられ、石崎のカードとは違う凝った枠のついたカードが揃った森崎イレブンを、岬は見つめた。
「すごいね・・・」
「何言ってんだ、お前もスーパーレアだぜ」
「えっ?」
横から投げかけられた石崎の声に、岬は不思議そうに振り返った。確かにPSGにはいるが、世界トップレベルだとは思わない。まだ移籍してそう経ってもいないし、評価の対象にもなっていないだろう。
「実力もだけど、人気もないとレアとかSRにはならないんだよな」
なるほど、日本のゲームでもあるし、日本人で海外でプレイしている選手の高評価も頷ける。岬はそう当たりをつけるが、また出て来た新しい単語に首を傾げた。
「SR?」
「スーパーレアのこと。岬のカードはスーパーレアの中でも確率が低くて、トレードで出て来ても、めちゃくちゃ高いんだ」
口調からすると、森崎イレブンにはまだ岬は在籍していないらしい。
「俺は持ってるぞ」
笑顔ではあるが、何故か近寄り難い雰囲気で現れたのは若林である。手にした大画面スマホには、若林イレブンが映し出されている。
「わっこれすごいですね!岬3枚!上位報酬の全日本岬もいるじゃないですか!」
「当たり前だろ」
さも当然のように笑顔で目配せを送ってくる若林を、岬は見たことのない表情で見返した。若林がこのゲームをしていることさえ知らなかったのに、当然のように岬のカードを集めているらしい。
「若林さんもいるってことは、SR尽くしですね」
森崎の説明も一通り聞いたのに、まだ完全に理解できたとは言えない。そして、若林から自分のカードを集めていると言われるのは、思いの外恥ずかしかった。頬が我知らず染まるのを感じ、岬は何気ない風を装って、窓際に座っている石崎に近付く。窓に近い分ひやりとした空気に、少しだけ熱さが引いた気がした。
「石崎くんはどんなチーム?」
「俺は・・・」
言いかけた石崎のチームを覗き込んで、岬は微笑んだ。石崎、浦辺、井沢、森崎、滝、来生、高杉、新田に松山、早田、次藤。星はそれほど多くはないが、石崎の親しい仲間が揃っている。
「チームワークは良さそうだね。それに守りが固そう」
DFとMFをこなせるメンバーが多く、守りの固いチームの様子が目に浮かぶようだ。
「一応強化してるから、これでも強いんだぜ」
岬の笑顔の意味を理解して、石崎が笑う。他の相手にはさほど自慢にならないチームでも、岬にすれば素敵なチームだった。
「反町は、新田と井沢と若島津と佐野で長髪チームを作ってたぞ」
浦辺の情報にも笑ってしまう。ゲーム自体にさほど興味を持てなかった岬でも、確かに楽しそうだと思わずにはいられなかった。
「でも、三杉には負けるぞ。あいつ、翼と自分だらけのチーム作ってたからな」
若林の言葉にはさすがに苦笑したが。おそらく若林のチームも言えたものではないはずだ。後で確認するにしても、恥ずかしいのを覚悟しなければならない。でも、SR若林はちょっと見てみたい。岬は周囲の話を聞きながら、一人頬を染めた。

「マジかよ・・・三杉の奴、どんだけ注ぎ込んでんだ?」
「それ言うなら、若林でしょう」
少し離れたところで、日向が携帯片手に吐き捨てた。SR大空翼は、イベントの上位報酬であるSR岬太郎(全日本バージョン)と双璧をなす高額カードとして知られている。有料ガチャでも滅多に出ないカードとして知られているが、無料ガチャの場合はさらに、天文学的な確率となる。ゲームに金を掛けるなど愚の骨頂、というポリシーの日向は、ひたすら友情ポイントを貯めてガチャを回し続けていた。その横で、長髪チームを強化中の反町が顔を何かを思いついた勢いで顔を上げる。
「もういっそ、ゲーム作って売った方が良くないですか?岬を攻略できるゲーム作ったら、若林が飛びつきますよ!」
「それで岬にマジ説教くらう訳だな。俺は遠慮するぜ」
ゲンナリした日向の確信的口調に、反町は少し想像してため息をついた。その横では若島津がスマホを操作中である。SR日向小次郎を引くのに必死の親友の姿に、ゲームは楽しくやりたいものだと反町は思った。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
携帯ゲーム、を題材にしてみたくて書きました。キャプテン翼の携帯ゲームは自粛して登録しませんでしたので、違うゲームをベースにしました。SRって絵柄が凝っていたり、枠が豪華だったりで、見応えがあります。SR若林源三はきっとデラックス。
高価な岬カードを集めまくり、岬くんとイチャイチャするゲームが出たら、更にお金を注ぎ込むと思われている若林くん、が書けて幸せです。
次に携帯ゲーム話を書くとしたら、岬くんとイチャイチャするゲームの話を書きたいものです。


おまけ

「 わかばやし くん、頑張ったんだからごほうびにデートしてよ」
表示された文字列は、登録名にデフォルトで組み込まれた台詞だ。だが、それに添えられたのが岬に似たイラストだけに、若林はふっと表情を和らげた。岬に似たキャラクターは瞬きしながら、こちらを見つめて、ご褒美のデートをねだってくる。
「どこでもいいよ。 わかばやし くんと一緒なら」
つやつやした唇から、甘えるような台詞が放たれる。流し目で視線をくれて、キャラクターは微笑む。
「何なら、朝まで一緒にいる?」

 若林が岬にゲームにいそしんでいる様子を目撃されたのは、上記のような瞬間だった。嬉しそうな表情で画面を見つめる若林に、岬は画面を注視した。
「・・・若林くん、こういうのが好きなの?」
「いや・・・このキャラクターがお前に似てる気がして、つい・・・」
下手な小細工は弄さず、率直なのは若林の美点だが、今回はいらなかった、と岬は痛感した。可愛いキャラクターだけど、みんな見てるし、僕は男だし。
「何言ってるのさ。そんなこと言われたって、嬉しくないよ」
真っ赤な顔でそう返す岬に、周囲が「ツンデレだ」「ツンデレ様だ」と囁き合ったことを岬は知らない。

(おわり)

と思ったので、書いてみました。このゲームやりたいなあ。
以下、雑談。

最近アニメ化された携帯ゲームのファンです。課金はしませんが。
キャラクターのカードを3種類に3タイプに分類し、それが3すくみになっているという構造です。タイプはクールとキュートとパッションで、単純化すると、冷静や知的キャラが多いのがクール、情熱的キャラはパッション、それ以外の一般的に可愛いキャラがキュートという分類です。

それを踏まえて、C翼。

・・・パッションワールドです。

簡単な説明では伝え切れていませんが、いわゆる脳筋や訳もなく叫んでしまう人、常に感情が優先、特異な感性というのがパッションの特徴です。
まず主人公からしてそうです。先生が南米系ということを割り引いても余りあるパッション度合い。
そして、ライバルもパッション。こちらは師匠は南米系でないにも関わらず、海で特訓、嵐に向かっていきます。

でも安心してください!何をか分かりませんが。そのパッションワールドにあっても、知将三杉くんは紛れもなくクールです。他にも、若島津くんや粘り強い松山くんはクールで良いのではないかと思います。

で、本題。岬くんはキュートだと思うのですよ。某ゲームでは正統派の可愛い子が多いタイプです。そして他は・・・と考えたのですが、反町くんや井沢くんに来生くん、森崎くん、タケシ・・・。
一方パッションは・・・となると、双子に早田くん、次藤くん、佐野くん、新田くん・・・と挙げて分かる通り、やはりこの世界パッション寄りです。熱いです。こちらの世界より数段温暖化が進んでいるものと思われます。試合観戦に行ったら、120%熱中症になる自信があります。・・・そんな自信要りませんか。そうですか。

 ちなみに、若林くんはクール一択です。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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