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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
2-2:しつこく追求してみたい
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

お題「恋のはじまり」。お題はTOYさまよりお借りしました。

 岬が、隣に座っている。

 隣に座った時に、まず鼻孔をくすぐる甘い香りに気付いた。相変わらずさらさらの髪や、柔らかそうな手は相変わらずで、触りたくなる手をひっこめる。

 どうして岬は俺に会いに来たのか、考える。つい期待してしまう。好きだから。一番シンプルで強い動機だろう。願望を含むと、そうあってほしいと思う。だが、友愛を前に出して抱きしめた岬の顔に浮かんだのは、困惑。
「あ・・・あの、若林くん」
岬は恥ずかしそうに顔を赤くして、抱きしめる俺の腕を掴む。
「本当、久しぶりだな-」
岬の戸惑いに気付かないふりをして、華奢な抱き心地を楽しむ。そう肉付きが良い訳ではないが、骨が細くてゴツゴツしていない。そして、本当に良い匂いがする。誘うような、甘い匂い。
「会いたかったぜ」
少し顔を伏せて、耳元に囁くと岬は一瞬体を強張らせた。まったく意識していない訳ではないらしい。

 岬はよくしゃべった。間が持たないので、有り難くはあったが。それでも、岬が楽しそうに話してくれるのは嬉しかったし、言いにくそうに話したことは余計に気になった。
「なあ、岬」
更に聞きたいことがある。
「何?」
「フランスから遠かったんじゃないか?」
俺の問い掛けに、岬は小さく頷く。何気ない仕種なのに、頷いた時に、揺れた岬の髪がふわりと耳に掛かったのに目を奪われる。首筋の白さが目に焼き付くようだ。
「思ったよりは早く来れたよ」
隣の国だ。俺も行ったことがない訳じゃない。かなり遠かった印象があって、岬の答えは意外だった。それだけに、更に聞きたい気持ちは募った。
「前行った時、相当遠かったぞ」
「そう?電車から外を見てたら、すぐだったよ」
「そんなに遠いと思ってたのに、来てくれたんだな」
俺の言葉に、こっちを見て笑ったまま岬は動きを止め、少しずつ赤くなった。真っ白な首筋も、みるみるピンクに染まる。
「電車が思ったより速くて・・」
不毛な化かし合いに、ついおかしくなる。どうして来てくれたのか、どうせなら岬の口から聞いてみたい。しつこく追及してみたい気持ちもするが、今はそれよりは困ったような表情を楽しみたいと思った。少しでも長く、一緒にいたい。

 俺は諦めてはやらない。まだ、先は長いんだ。

(おわり)

拍手ありがとうございます。

間が空きました。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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