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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
1-2:なぜだかとても落ち着かない
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

お題「恋のはじまり」。お題はTOY様よりお借りしました。

 ドイツの若林くんのところに行って、いろいろ気付いたことがある。

 若林くんは結構しゃべる。

 修哲のみんなに囲まれている印象はあった。口々に話しかけるみんなの話にゆっくり耳を傾け、鷹揚に頷く印象が強かった。
 だから、よくしゃべる若林くん、というのは意外だった。今のチームの話も面白かったけれど、南葛の翼くん達の話は特にじっくり話してくれた。南葛のみんなが今も一緒にプレーしていることは嬉しくて、聞く方も力が入った。
 ただ、翼くんが3連覇を目指している話を聞いて、やっぱり翼くんに会いにくいと思ったのは事実だ。
 若林くんの話は面白くて、聞き飽きないけど、意外な感じがしたのも。でも若林くんもそれは同じだったらしく、
「お前、結構しゃべるんだな」
そう言われた。

 そりゃ、しゃべるよ。だって、二人でこんなにいたことないもの。

 不意の間が怖くて、つい口を開く。他愛のない話をする。若林くんが聞き上手で、そんな話もじっくり聞いてくれるから、余計に話してしまうということもあるけど。
 今もそうだ。話が途切れたところで、ベンチで隣に腰かけている若林くんがこちらを見た。男らしく整った顔と、目が合う。一度しか敵対したことはないけれど、どれだけ鋭くなるかを知っている目。今は穏やかな表情を湛えて、僕を静かに見つめる。
「あの・・・そう言えば、この前」
仕方なく話し始める。若林くんは笑顔で話してくれ、話は続く。
 もしかすると、今までこんなに話をしたことはないかも知れない。僕は今までどちらかと言うと、友達の話を聞く方が多かったように思う。それが、今日はかなりしゃべっている。
 最初は日本語で話すのが久しぶりで、懐かしんでいるのかとも思ったが、そうでもないらしい。とうとう僕が父さんとフランスに来るきっかけとなった、横浜での出来事を話すに至って、つい聞いてしまった。
「ごめんね、暗い話して」
「良いぜ。・・・もっと話しても。岬のことをもっと知りたいんだ」
僕が話すこと、僕が言わないこと。若林くんはきっと全部分かっているんだろうと思った。つい恥ずかしくなって、僕はまっすぐに前を向くと、公園の中の小径を通る人達を眺める。でも、風景なんて目に入らなくて。
「若林くんもそういう冗談言うんだね」
「冗談なんかじゃないぜ」
笑顔で紛らわしたはずの恥ずかしさが、若林くんが真顔で返したせいで、倍増させられた。

 なぜだかとても落ち着かない。

 それなのに、まだ帰りたくはない。

 目を上げると、また目が合った。嬉しいような、恥ずかしいような気持ちで、また落ち着かなくなった。

(おわり)

拍手ありがとうございます。
仕事が忙しいです。先月も残業60時間超えだったのですが、今月もなかなか休めません。
なのに、何故大長編を書いているのでしょうか、私は。
先日再放送のサスペンス(十○川警部)を見て、ついパロディを書き始めたのがきっかけで、元の話とは全く別物の上、(原作読んでいません)源岬感も皆無。長すぎて発表できなくなる公算大。以前に書きかけで断念した話の設定も食いつぶし、さあどこまで行くのか。自分でも楽しみになってきました。

先日無自覚に更新したせいで、魔法少女さんがPCトップから消えてしまいました。
「次のページ」で見られますので、ご安心を。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


コメント
甘酸っぱい!
この微妙に遠くからもじもじしてる岬ちゃんと
ぱっと見泰然と構えてそうな若林さんとの甘酸っぱい距離感に
キュンキュンしました!Σ>―(〃°ω°〃)♡→
[2015/04/09 12:34] URL | みtinこ。 #ntbreMG6 [ 編集 ]

Re: 甘酸っぱい!
みtiんこ様
コメントありがとうございます。
>遠くからもじもじしている岬ちゃん
>ぱっと見泰然と構えてそうな若林さん
このワードだけで私がキュンキュンしてしまったのですが。
あまり近くだと緊張しまう岬くんと、近う寄れ、の若林くんの均衡の取れた絶妙の距離じゃないと、泰然とはしていられなさそうです。
でも、少しずつ距離を縮めてもらいたいものです。
[2015/04/12 22:11] URL | 真          #- [ 編集 ]


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