※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 3
岬の唇を指でなぞると、かえって我慢できなくなった。誰も触れたことのない、このつやつやした唇を奪う誘惑に。キスは断られた。岬は目を見開いて、未練たらしく唇に触れる俺を見つめ続ける。一つ、尋ねて良いか、と聞く岬を拒む理由はなかった。岬は俺をじっと見つめて、静かに口を開いた。 「・・・そんなに好きなの?」 「ああ」 お前を。お前の心の中にいる誰かに嫉妬して、お前をめちゃくちゃにしてしまいたい程。 「・・・じゃあ、良いよ」 ぎゅっと結ばれた唇は小刻みに震えているように見えた。潤んで見える目に、苦しくなる。 「そんなに嫌ならやめるけどな」 言い捨てたにも関わらず、岬は顔を上げた。 「良いって言ってるだろ!」
何をしているか分からない。怒った顔のままの岬を押さえ付けて、キスをした。 唇が触れると、岬は潤ませた瞳をゆっくりと閉じた。 「もう一回な」 長い睫毛にみとれ、柔らかい感触を味わうままに貪る内に、ついもっと欲が出た。 「んんっ」 髪を撫でる手に、力が入り、抱きしめると、岬は少しだけ首を揺する。嫌がっているそぶりと分かっていながら、もう一度深く口づけた。
「キス、気持ち良かったか?」 「分からない」 横を向いて答える岬の顔は赤くなっていて、その答えが嘘であるのは明らかだった。 「それじゃ答えになってないから、もう一回な・・」 「・・気持ち良かったよ」 ごく小さな声で答える岬は可愛くて、心臓が掴まれる気がした。微かに赤いだけだった岬の顔はもう真っ赤で、ますます悔しくなった。 「じゃあ、こっちの感想も聞かせてくれよ」 「えっ!?」 抱き上げた岬は本当に軽くて、簡単に押さえ込めた。
どうしても、欲しかった。心はここになくても。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 年末だけあって忙しいです。眠たい。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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