※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 2
ここはハンブルクの若林くんの家。若林くんのチームメイトの恋愛の話をしている内に、気がつくと、練習相手に、なんて言われていた。
いやだよ。言おうと思った。でも、ふと思い出したのはこの間のサッカーの練習。若林くんの自主練習に付き合っていて、ゴールを決めた時に、若林くんがすごく楽しそうに抱き着いてきた。確かに、あの状況では僕自身も入ると思っていなかったから、感動しちゃったのは確かなんだけど。でも、抱きしめられるのはすごく気持ち良かった。・・・そんなことを思い出したら、誘惑には勝てそうになかった。 「・・・その、練習相手ってどんなことするの?」 僕はキスもしたことがない。サッカーの練習相手なら、よく分かるし、いつだって喜んで務めるけど、今回は・・・練習相手になれるかも分からない。そう尋ねた僕はよっぽど不思議な顔をしていたに違いない。若林くんは小さく笑って、僕を、ソファーに押し付けた。両側の肘置きが広くなっているデザインで、そこに寝かされた僕に、若林くんが近づく。 「こういうことだ」 若林くんは僕の顎を持ち上げ、ゆっくりと顔を寄せた。こんなに近くで見るのも久しぶりで、男らしい顔だと思う。 端正な顔の印象まで変えてしまう鋭い目で僕を見据えて、若林くんの指は僕の唇をなぞる。背筋が冷たくなる感覚と、上気する頬と。
困ったことに、目の前のこのひと、が好きなのだ。友達よりは、恋の練習相手になりたいと思うほど。
若林くんに好きなひとがいるなんて初耳だった。そんな話をする程には親しくなかったことを思い知る。そして、知ってしまったら、胸がちぎれそうに痛くて、せめて抱きしめて欲しいと思った。たとえ心はそこになくても。 「駄目だよ、僕初めてだから」 でも、誰かの代わりにキスされるのはさすがに辛い。冷静さを取り戻した途端、今までの考えが恥ずかしくなり、今更ながら、抜け出そうと試みる。 「なあ、岬。駄目か?」 若林くんの目は、いつもと同じように力強い。・・・そんな顔でキスされたら、引き返せなくなるから。 だから、一つだけ聞くことにした。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 以前のデータから見つけたので、加筆してアップしました。 ただ、結末まではなかったので、これから書きます。間に合うのか自分。
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
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