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今日のきみとぼく
源岬への愛だけで構成されております。
願い(7)
※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。

 若林くんが用意してくれた夕食はおいしかった。若林くんの手料理をご馳走になったなんて、みんなにはちょっと言えない。後片付けを手伝った後、僕はトランクから箱を取り出した。
「デザート、食べない?」
家にはオーブンなんかないので、学校の家庭科室を借りて、マドレーヌを焼いてきた。これなら日持ちするし、むしろ日が経ってからの方がおいしい。
「お誕生日おめでとう」
マドレーヌを出した僕に、若林くんは少し面食らった顔をした。
「・・・知ってたのか」
「うん。こないだ聞いた。こんなことくらいしかできないけど」
若林くんは何でも持っている。僕とは全く違う環境で育ってきた人だ。だから、一緒にお祝いするのが一番だと思った。本当はもう少しマシなケーキを用意したかったけど、日本で買って来るのは、焼き菓子の本場ドイツに失礼な気がしたし、フランスに寄って来るのは無理だった。でも、これは僕の気持ち。若林くんは立ち上がった。
 そんなはずもないのに、一瞬、若林くんに怒られるのかと思った。少し目を細め、厳しい顔をした若林くんが口元を歪め、長い指で髪に触れられた時、僕は思わず目を閉じてしまっていた。
 若林くんはにこにこと、僕の髪の毛をくしゃくしゃにした。
「そんなことない。嬉しいぜ」
「もうっ、髪の毛やめてよ」
目を開けた時、若林くんは笑顔で髪を直してくれた。
「岬、ありがとう」
「ううん、本当に時間もなくて。他に何かできることがあったら、言って」
若林くんは僕の言葉に、少し考えた後、口を開いた。
「じゃあ、一つだけ。岬が次に会うまで元気でいてほしい」
微笑む若林くんを見た瞬間、胸が痛くなった。僕は若林くんが好きなんだ。半年前から、ううん、たぶん小学生の頃から好きだった。

(つづく)

拍手ありがとうございます。
昨日の話は伏線だったのですが、楽しかった♪
そして、この部分が7日に来るはずだったのに。
岬くんからお祝いを述べてもらう予定だったのに。
悔やんでも悔やみきれません。
今日の話は(4)の次に読んでいただければ。

お知らせ:
アンゴラ様の素敵小説サイト、Alnaschar様とリンクさせて頂きました♪
大人で本当に素敵な源岬の二人に、最近ではサテライトで他CPも。
自分にはとても描けない世界だと憧れて、毎日の巡回コースです。
お口直し用出口を設置しましたので、是非ご利用下さい。

以下私信:
アンゴラ様。いつも変な感想をすみません。
こちらこそ暖かいお言葉をありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
リンクのご了承ありがとうございました。

from past log<2008.12.9>
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テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック


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