※女性向け二次創作です。苦手な方はご注意ください。 若林くんが用意してくれた夕食はおいしかった。若林くんの手料理をご馳走になったなんて、みんなにはちょっと言えない。後片付けを手伝った後、僕はトランクから箱を取り出した。 「デザート、食べない?」 家にはオーブンなんかないので、学校の家庭科室を借りて、マドレーヌを焼いてきた。これなら日持ちするし、むしろ日が経ってからの方がおいしい。 「お誕生日おめでとう」 マドレーヌを出した僕に、若林くんは少し面食らった顔をした。 「・・・知ってたのか」 「うん。こないだ聞いた。こんなことくらいしかできないけど」 若林くんは何でも持っている。僕とは全く違う環境で育ってきた人だ。だから、一緒にお祝いするのが一番だと思った。本当はもう少しマシなケーキを用意したかったけど、日本で買って来るのは、焼き菓子の本場ドイツに失礼な気がしたし、フランスに寄って来るのは無理だった。でも、これは僕の気持ち。若林くんは立ち上がった。 そんなはずもないのに、一瞬、若林くんに怒られるのかと思った。少し目を細め、厳しい顔をした若林くんが口元を歪め、長い指で髪に触れられた時、僕は思わず目を閉じてしまっていた。 若林くんはにこにこと、僕の髪の毛をくしゃくしゃにした。 「そんなことない。嬉しいぜ」 「もうっ、髪の毛やめてよ」 目を開けた時、若林くんは笑顔で髪を直してくれた。 「岬、ありがとう」 「ううん、本当に時間もなくて。他に何かできることがあったら、言って」 若林くんは僕の言葉に、少し考えた後、口を開いた。 「じゃあ、一つだけ。岬が次に会うまで元気でいてほしい」 微笑む若林くんを見た瞬間、胸が痛くなった。僕は若林くんが好きなんだ。半年前から、ううん、たぶん小学生の頃から好きだった。
(つづく)
拍手ありがとうございます。 昨日の話は伏線だったのですが、楽しかった♪ そして、この部分が7日に来るはずだったのに。 岬くんからお祝いを述べてもらう予定だったのに。 悔やんでも悔やみきれません。 今日の話は(4)の次に読んでいただければ。
お知らせ: アンゴラ様の素敵小説サイト、Alnaschar様とリンクさせて頂きました♪ 大人で本当に素敵な源岬の二人に、最近ではサテライトで他CPも。 自分にはとても描けない世界だと憧れて、毎日の巡回コースです。 お口直し用出口を設置しましたので、是非ご利用下さい。
以下私信: アンゴラ様。いつも変な感想をすみません。 こちらこそ暖かいお言葉をありがとうございます。 これからもよろしくお願い致します。 リンクのご了承ありがとうございました。
from past log<2008.12.9>
スポンサーサイト
テーマ:キャプテン翼 - ジャンル:アニメ・コミック
|